中学受験では、中高一貫校の種類によって入試内容も違うので、それに合った対策が不可欠。どんな学校があるのか知ることが志望校選びの第一歩です。最近の入試選抜方法のトレンドについて、首都圏模試センターの北一成さんに聞きました。AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2024』(朝日新聞出版)から紹介します。

「ここ3年で中学受験は大きく変わってきたと思います」と話すのは首都圏模試センターの北一成さん。

 中高一貫校は大きく分けて私立校と公立校があり、公立校はさらに国立大学の附属校と公立中高一貫校がある。学校数では私立校が圧倒的に多く、入試期間も2月1日を中心に幅があるが、国公立校は数が少なく、入試日も重なっているという特徴がある。

学校も選抜方法も刻々と変化している

 ここ数年の大きな変化について、北さんがまず挙げるのは、コロナ禍で学校説明会や文化祭などの行事が中止になり、学校がWeb やSNSを使った情報発信に力を入れ始めたことだ。これにより、保護者や子どもが家にいながらにして多くの学校を詳しく調べられるようになり、より情報発信が上手で、ICT 活用の盛んな私立校の人気が上がってきているという。

 さらにここ1、2年、私立の「伝統校」の人気が復活している点も注目だ。

「とくに女子校の伝統校にその傾向が見られます。コロナ禍の子どものメンタルケアをオンラインでていねいに行っていたことや、ICT 活用を急速に進めたこと、少人数の親子を対象にしたきめ細かな学校見学会での対応などが評価されたのでしょう」

私立、国立、公立中高一貫校の入試内容は、それぞれ特徴がある。最近は4教科の
試験だけでなく、面接や作文、学校独自の選抜方法も増えてきている。

 選抜方法にも変化が見られる。例えば公立中高一貫校で行われる「適性検査型」の試験を、国立や私立の学校も取り入れるようになってきていることだ。首都圏の私立校はじつに100 校以上が適性検査型入試を併用している。加えて、「プレゼンテーション入試」や「プログラミング入試」など、独自の選抜方法を採用する学校も増えている。

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船木麻里
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