「気がかりなのは、教員に手をかけさせないようにおとなしく頑張っていたり、我慢していたりする子どもたちがいることです。外から見て、サポートが必要なことがわかりやすいところばかりに教員は手間や時間を割いてしまいがちです。そんなふうに、教員に遠慮をしている子どもたちがいることを思うと、いろいろなクラス運営がそういう子どもたちの我慢の上に成立していることに申し訳なさを感じます」

「平等性」と「公平性」をどのように考えればいいのか、木村先生は思い悩むこともあると言います。

「もしかすると、これは世の中全体で起きていることかもしれませんね」

 クラス分けといえば、こんなかわいいエピソードも。

「ずっと仲よしの女子ふたりが、ある日を境に急に不穏な雰囲気になったのです。あんなに仲がよかったのに、なにかあったのかと事情を聞いてみたのです。すると『だって、仲よしはクラスが離れちゃうんでしょ?』というのです。ふたりは、新しい学年でも同じクラスになりたいから『私たちは仲よしではありません』アピールをしていたのです。もう、本気で心配しました。気持ちはわかりますが(笑)」

(取材・文/AERA with Kids 編集部)

小島よしおが「たたかれたり悪口を言われたり、地獄の毎日」と悩む小6女子と一緒に考えたい、いじめの乗り越え方
AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2023年 冬号 [雑誌]

朝日新聞出版

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2023年 冬号 [雑誌]
著者 開く閉じる
AERA with Kids編集部
AERA with Kids編集部
1 2