親は、子どもに「どんなことでも話してほしい!」と思うものです。でも、親の無意識の態度が、子どもの「話そう」という気持ちを遠ざけていることも……。子どもの本音ときちんと向き合える、対話の心がまえを児童発達学博士の島村華子さんに聞きました。現在発売中の「AERA with Kids 2023年夏号」(朝日新聞出版)から抜粋してご紹介します。
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子どもは、なんでも話してくれていますか?
小さいころは「聞いて聞いて!」と話してくれたけれど、だんだん親に「話しにくいこと」も出てくる子どもたち。悩みや困りごとを自分で考えて解決したり、友達や先生など親以外の大人に相談できるようになったりするのも成長ですが、「『ママやパパに相談してもだめかな』なんて思われてしまうのが、いちばんさびしいですよね」と話すのは、児童発達学博士の島村華子さんです。
「子どもは『聞いてくれる』という土台があれば、どんどん話してくれます。でも、話してもわかってくれなかったり否定されてばかりでは、大人だってその人に話すのは嫌になるもの。こんなふうに、自分の意見は置いて、子どもの話を『ただ聞く』ことができていないケースは、実は多いものです」(島村さん)
すると、子どもは親に話すことをあきらめてしまいます。話してくれないから、親は子どもが何を考えているのかわからない……。
「親の聞き方しだいで、親子関係は大きく変わります」
まず、日ごろの対話から「聞き方」を見直してみませんか?
子どもが話したくなくなる聞き方7選
大人の聞き方で多く見られる「クセ」を、島村さんに聞きました。子どもに対してだけでなく、友達や仕事仲間にも無意識にこんな態度をとっているかも……。要チェックです!
1)とにかく否定「却下系」
「僕、足が遅いんだ」と聞いて「そんなこと言わない!」と相手の悔しさを瞬時に却下。「『でもさ、練習すれば大丈夫!』なども同様です。励ますつもりが、ポジティブの押しつけになってしまうことも。まずは、相手の痛みを素直に受け止めてあげたいですね」
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