「なんといってもお母さんです。シングルマザーで、さまざまな職を渡り歩きながら『あなたの協力も必要なの』と、家計を守るためのチームメートとして、僕に家計のことを話してくれました」
家庭でお金の話をしていれば、ものの値段の相場や買い物のテクニック、税金など自然とお金の知識がついてきます。
「それから、中学生時代に授業で行った“人生シミュレーションゲーム”にも衝撃を受けました。住みたいエリアや職を選び、将来をシミュレーションする、超リアルなゲーム。せっかく買った革張りのソファを医療費のために手放したり、クレジットのリボ払いがい
かに怖いかを実感したり(笑)。生活のために“予算”を立てることがいかに大切かということも、このゲームで学びました」
日本でも、マネー教育がどんどん浸透しています。
「複利のしくみや投資など、お金の知識は将来必ず役に立ちます」
■わが家は、お小遣い制ではなく都度制を採用
パックンさんの子どもたちは、決まったお小遣いをもらうのではなく、必要な場面ごとにお金を交渉してもらうスタイルなのだそう。
「2人とも倹約家タイプなので、ほしいものができて、お金がいるときに『なぜ、それが今必要なのか』をプレゼンしてもらったり、友達と出かけるなら『これだけかかります』という予算書を提出させたりしています。でも『あれがほしい』『これ買って!』とねだることが多くなったら、お小遣い制導入のチャンスだと思います!」
子どもからの要求金額が高いときは、プラスで庭仕事などをお願いすることも多いといいます。
「お金の価値を実感するためです。本当は、外でアルバイトをして苦労してほしいのですが(笑)」
日常、子どもたちには担当しているお手伝いもあるそう。
「それにはもちろん、お金は生じません。お手伝いをお駄賃制にしてしまうと『お金をくれないならやらない!』と、お金ベースの労働になってしまうことも。ちなみに、アメリカではお駄賃制が一般的だったのですが、こういった理由で、最近はお小遣い制も見直されているようです」
※「AERA with Kids 2023年春号」から抜粋
(取材・文/AERA with Kids編集部)
AERA with Kids編集部