中学受験を考えたときに、気になるのがお金のハナシ。いくらあれば足りる? ぎりぎりだったときの対処法は? AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』では、多くの家庭の教育費の相談にのってきた、ファイナンシャルプランナーの藤川太さんに詳しく教えてもらいました。

MENU ■先々までの収支のシミュレーションを ■“わが家”にとって無理のないプランを

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「お金は“かかる”と表現することが多いですが、中学受験のようなお金は、“かける”と言うほうがふさわしいお金です。つまり、ご家庭の世帯年収や家族構成などによって、かけられる数字が変わってくる。“いくらかかるか”は、“いくらかけられるか”が基準になってくるわけです」


 そう話すのは、多くの家庭の家計の見直しに携わってきた、ファイナンシャルプランナーの藤川太さん。


 地域や学校によって違いはあるものの、私立校の学費は、大まかに見積もって年間100万円ほど。中学から大学まで私立に通うとなると、学費だけで1人あたり1千万円前後がかかり、大学で医歯系学部を選択するようなら、さらに多くを払っていく計算になる(図1参照)。


図1 ※データは令和2年「中学受験にかかる費用」実態調査レポート(ファルボ)、「令和3年度 都内私立中学校の学費の状況」(東京都)、「平成30年度 子供の学習費調査」(文部科学省)、令和2年度「教育費負担の実態調査」(日本政策金融公庫)、「令和3年度 私立大学入学者
<br />に係る初年度学生納付金」(文部科学省)から独自計算し、千の位を四捨五入した。※中学受験の検定料は10校として算出。
<br />※中高6年間の教育費の内訳は、入学金、授業料、修学旅行・遠足・見学費、 学校納付金等。
<br />※大学の学費は、文系学部と理系学部は4年間、医学部は6年間通うものとして算出した。
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図1 ※データは令和2年「中学受験にかかる費用」実態調査レポート(ファルボ)、「令和3年度 都内私立中学校の学費の状況」(東京都)、「平成30年度 子供の学習費調査」(文部科学省)、令和2年度「教育費負担の実態調査」(日本政策金融公庫)、「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金」(文部科学省)から独自計算し、千の位を四捨五入した。※中学受験の検定料は10校として算出。※中高6年間の教育費の内訳は、入学金、授業料、修学旅行・遠足・見学費、 学校納付金等。※大学の学費は、文系学部と理系学部は4年間、医学部は6年間通うものとして算出した。

 首都圏で中学受験を経験した家庭が、実際に通塾にかけた費用は平均約244万円。受験に49万円(約2万3千円の検定料を10校分、合格し納入したものの入学しなかった1校分の入学金約26万円と想定)がかかると考えると、入学までに約293万円。以降は年間100万円程度の学費が必要になるが、「授業についていくために、補習塾に通うお子さんが少なくない」と藤川さん。


 その先の大学は学部によるが、医歯系学部なら6年間通うと想定すると、文系の6倍近くかかりそうだ。さらに下宿代が発生したり、子どもの大学進学と親の定年が重なったりする場合もあるので、シミュレーションしておこう。


■先々までの収支のシミュレーションを


「人生には、お金をためやすい時期とためにくい時期があるのですが、受験態勢に入ったら、それはもう使いどき。平均的なご家庭であれば、お子さんが通塾を始める10歳ごろまでに1千万円をためることは難しいので、あとは、稼ぎながら払っていくことになりますね」

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竹倉玲子
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