子どもたちはもうすぐ夏休みが始まります。楽しく過ごすには、なんといっても体調管理が必須。コロナ禍3年目となった、この夏ならではの気がかりを、小児科医の工藤紀子先生、眼科医の鳥居秀成先生、皮膚科医の野崎誠先生にうかがいました。現在発売中の子育て情報誌『AERA with Kids 2022夏号』(朝日新聞出版)から一部抜粋してご紹介します。
【図版】夏に体の不調を引き起こす原因* * *
【手洗い・消毒】
■アルコール消毒より、石けんでの手洗い。基本をお忘れなく!
〇小児科専門医・医学博士 工藤紀子先生
長引くコロナ禍で、身近になったアルコール消毒。でも、「アルコール消毒を過信し、手洗いがおろそかになっている人が多いのが心配です」(工藤先生)。
アルコールは、アデノウイルスやノロウイルスなどには効きにくく、または皮膚の水分を奪い、手荒れを招きます。
「実際、手が荒れて、真っ赤になっている子どもも増えているのです。手荒れから、ほかの細菌に感染するリスクもあります。でも、石けんで洗えばウイルスは死滅します。アルコールで消毒をすればOKではなく、石けんを使う基本の手洗いをしっかり行いましょう」
ポイント1:石けんやハンドソープで手を洗う時は、指の間、爪の間、親指の付け根、手首も忘れずにしっかり!洗った後は水分をしっかり拭き取る事も手荒れの予防に。
【近視】
■長引くおうち時間で、近視の子どもがグンと増えています
〇眼科医 鳥居秀成先生
黒板の字や掲示物が見えにくい、という子どもが増えています。
「コロナ禍を機に、子どもたちの近視が進んでいます」(鳥居先生)
おうち時間が長くなり、スマホやタブレットを長時間操作するようになったことが一因ですが、それだけではない様子。
「外に出て日光を浴びなくなったことも原因と見られています。実は、太陽光は近視の進行抑制に一役買っているのですが、その日光を浴びる時間が少なくなり、近視が増えているのです」
ポイント2:デジタルのスクリーンは、昼間に見ることがポイント。「日中なら、ブルーライトカットのアイテムもつけなくていいでしょう」と、鳥居先生。
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