夏休み、子どもがもらってくる「夏休みの宿題リスト」を見て、ため息をついているご家庭も多いのではないでしょうか? 小学生の夏休みの宿題の中でも最も頭を悩ませる「自由研究」に「寿司がおすすめ」と話すのが、寿司職人にして絵本作家の岡田大介さんです。岡田さんの写真絵本『おすしやさんにいらっしゃい! 生きものが食べものになるまで』は、2022年度青少年読書感想文全国コンクール小学校低学年の部の課題図書にも選ばれています。「すし作家」の肩書きで活躍する岡田さんに、自由研究から、絵本を作るきっかけについてまで、聞きました。

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――『おすしやさんにいらっしゃい! 生きものが食べものになるまで』は寿司職人である岡田さん初めての絵本ですね。なぜこの絵本を作ろうと思ったのですか?

「お寿司」という身近な食べ物を通して、子どもたちに生きものが食べものになるまでの過程をじっくり見てほしかったんです。「お寿司って、もとは全部生きものなんだよ!」ということをできるだけ楽しく伝えたかった。絵本では、キンメダイ、アナゴ、イカという、特徴や生態が違う3つを選び、さばく前の魚の様子の観察から始めました。

――写真もたくさん使われていて、子どもたちの楽しそうな様子が印象的です。

 絵本に出てくる子どもたちの反応は、演技ではなくそのままの様子を載せました。「イカが苦手~」と言っていた子もだんだん目をキラキラさせて興味を持ち始め、お寿司にして「へい、おまち!」と言って出してあげると「おいしー!」と食べてくれました。

――そもそも岡田さんはなぜ寿司職人になったのですか?

 料理の道に入るきっかけは、大学浪人中に母が急死したことです。父と僕、そして妹と弟が残されました。母が突然いなくなった悲しみだけでなく、毎日食事を作ってくれていた母がいなくなったことで、毎日のご飯に困る生活になりました。父も僕も料理が得意でなかったので、外で買ってきたものを食べたり、暴飲暴食をしたり。そんな生活を続けていくうち、当時小学2年生だった弟が体調を崩してしまったんです。その理由が食生活の乱れが原因であることがわかり、その時、きちんと食に向き合いたい、と強く思ったんです。そこで大学進学をやめ、料理人になることを決めました。日本人だからやっぱり和食だろうと、最初は割烹料理屋に修行に入りました。

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江口祐子
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