芸人というのは人を楽しませる仕事。そのときによしおがいつも意識しているのが、相手の反応を確認することなんだ。ギャグを披露したときに、場が盛り上がらなかったり、お客さんが引いていたりしたらそのギャグは封印する。もし、少しでも反応がよければ、もっと面白くできるように努力する。

 芸人にはよしおみたいな、お客さんが笑ってくれることを大切にするタイプと、自分のなかの面白いというものを追求するタイプがいる。芸の世界だったらどっちが正解、というのはないんだけど、日常生活のなかで相手を楽しませようとする場合、とくに低学年の子に向けては、相手が楽しんでくれるか、を考えることが大切だと思うんだ。

 よしおは普段子どもたちにもライブをしているんだけど、お客さんで来ている子どもと一緒に「おっぱっぴー」をやったり、一緒に歌を歌ったり、とにかく一緒に楽しんで盛り上がることをライブに取り入れているよ。

 君に「一発ギャグをやろう!」とは言わないけれど、一緒に楽しめるゲームやクイズを用意しておくのはどうだろう。道具や、難しい知識がいらないものなら、すぐにみんなで楽しめるはず。さっきも話したような〇×ゲームはすぐに勝敗がつくから何回も楽しめるね。

 他には、心理テストやクイズなんかもいいと思う! 心理テストやクイズを自分で考えるのはなかなか難しいけど、きっと図書館に本がたくさんあるはず。お世話係のときに本を借りておけば準備もばっちりだね。クイズをやるときは、相手が楽しんでいるか、ちゃんと参加できているかも確認してあげよう。そしてなによりも大切なのが君自身も楽しむこと。“一緒に楽しむ”ことを意識してね!

 一発ギャグではないけど、手を使って簡単にできるマジックなんかもおすすめだよ。鉛筆が浮いているように見えるやつとか、親指が手のひらを貫通したように見えるやつとか。知っているかな? よしおは小学生のころ、「耳に穴が開いちゃった!」っていうマジックをよく披露していたよ。耳を折りたたんで耳の穴を隠すんだ。それで、手を離したら「耳に穴が開いちゃった!」ってね。これは、よしおが低学年のころに高学年のお兄さんにやってもらって、引き継いだ伝統芸(笑)。ネタバレしたら、1年生にもやり方を教えてあげてね。

次のページへ無駄な時間こそすてきな思い出になる
1 2 3 4