■親にできること 

Q)親が不安定になって、「こんなんじゃダメだと」子どもを強く叱ってしまったり、子どもを追い込んでしまったり。親はこの時期、何をしたらよいですか?

A)まず、今まで勉強に関わってこなかった親御さんは最後まで勉強に関わるな、と言いたいです。でも、試験会場への送迎、夕飯を作るなど、中学受験の過程にかかわるためにできることはたくさんありますし、勉強以外のことでいくらでもフォローできます。

 もし、今になって「どうやって関わったらいいんだろう」と悩んでいるかたがいらしたら、これまでイニシアチブを取っていたママ、もしくはパパに、「何をしたらいいと思う?」と聞くことですね。

 先日、Voicyのリスナーさんが投稿してくださったコメントでいいなと思ったことがあります。そこのご家庭はお母さまがずっとイニシアチブを取っていました。お嬢さんの受験が近くなり、お母さま自身がピリピリしてくる。自分を犠牲にして、「とにかくこの子に」となっているので、お母さま自身が精神的に耐えられなくなってしまっていました。

 するとお父さまが、「今まで二人とも本当によくがんばってきたと思う」と。そしてお母さまに「本当によく頑張ってきたから、ちょっと休んで。子どもを連れて外に行くから自分の時間を持ったら」と言ってくれた。それが何よりうれしい言葉だった、とおっしゃっていました。

 我が子のために自分をとことん犠牲にして、自分にきることはないかと必死になる気持ちはとてもわかります。でも、親の視界が狭くなればなるほど、子どもも追い詰められてしまうんですよね。親御さんが自分のための時間をあえて作ることをおすすめしたいですね。

※後編【「一睡もできずに受験して合格した子もいます」 中学入試当日の心得を安浪京子先生がアドバイス】に続く

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