中学受験シーズン本番。2月からは、東京・神奈川で入試が始まります。いよいよ迎える当日、親は子にどんな声掛けをすればいいのでしょうか。プロ家庭教師の安浪京子さんに聞きました。1月6日におこなわれたAERA with Kids編集部のYouTubeライブから、抜粋、編集してお届けします。※前編【中学受験超直前!自信をなくしている子には、励ましより「過去問を」 プロに聞くアドバイス】から続く
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Q)当日、メンタルを万全にするにはどうしたらいいでしょう?
A)メンタルはとても大事ですが、「入試当日は心身ともに万全!」というのは、ハードルが高いです。普通に行ってくれたらいいのです。完璧な状態なんていうのはとても無理で、「前日は緊張で寝られない、どうしよう寝不足で迎えてしまった」ということだってあります。でも、一睡もできなくても受かった子もいます。一睡もできなくても、死にはしないし落ちもしないです。
Q)今日初めて入試に挑んでいます。笑顔で門をくぐったことが何よりうれしいです。
A)門をくぐるということがどれほどすごいことか! 本番直前期なのに「うちの子、いまだにスイッチが入らなくて、最後は有無を言わさず引っ張っていくしかない!」と思われているかたもいるかもしれませんが、無理のさせ過ぎなど、いろいろなことが原因で受験できなくなる子もいます。志望校の門を無事にくぐるということは本当にすごいことなんですよ。だから、万全な体調でなくていい、とにかく本人が行きたい、受けたいと思った学校に足が向いて、門をくぐり、問題を解いてくること。そこに到達しただけでも素晴らしいことです。
問題を解いてくるのは本人ですから、本人が気持ちよく門をくぐれること、これがすべてです。
Q)当日の朝、どういう声かけをしたら有効でしょうか?
A)これは「お子さんによる」としか言いようがないです。みんなに頑張れって言われ過ぎて、いっぱいいっぱいになっちゃう……というケースもあります。「頑張れ」で奮起できる子もいれば、それがプレッシャーになっちゃう子もいます。だから私は、オンラインの入試激励会も、教え子に手紙を渡す時も、「頑張れ」とは書かず「問題だけ解いてきて」と伝えています。余計なことは一切考えなくていいから、目の前の問題だけ解いてきて、と。
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