小島よしおが「試合になると結果が出せない」と悩む高3男子に伝えたい、「本番の弱さ」を乗り越える力

■練習は練習でもどんな練習をしている？

　朝も放課後もたくさん練習していることにはぜひ自信を持ってほしい！　そして練習内容をちょっと振り返ってみてもほしい。いままで、どんな練習をしていたかな？　いくら練習をしていても、なかなか成果が上がらないときは、練習の内容を変えてみるのもいいんじゃないかな。

　最初に、よしおもなかなか本番で力が出せなかったって話したけど、よしおはとにかく素振りやシャドウ（タオルを持って投げる真似をする練習だよ）っていう練習を繰り返していたんだ。でも、練習するときも本番をイメージするように心がけた。たとえば、「いま、1アウト二塁、8回表」みたいな、具体的なシチュエーションを思い描いてから打つようにした。

　すると、最後の試合は4番で試合に出ることができたし、打率も3割くらいと、これまでよりも成果が出せた。少し遅かったけど、本番を想定した練習って大事なんだな、って気づけたよ。練習のときから、緊張するシーンをつくるのは大事なことだと思うよ。

　芸人ですごく緊張する場面っていったら、M－1とかR－1とかの賞レースでネタを披露するとき。だから芸人はその日のために芸を磨くんだけど、本番前に緊張する場面をつくるために、あえていつもと違う劇場に出ることがあるんだ。同じ顔触れのなかでやっていると、少しずつ緊張感がなくなってしまうからね。

　だから、他校と練習試合をしてみるとか、社会人チームと練習試合をしてみるとか、いつもと違う環境で練習するっていうのも、すごくいい練習になるんじゃないかな。

君もよく知っているだろうけど、スポーツってすごくメンタルが重要だよね。プロでも苦労している人は多いと思うよ。だから毎回決まったルーチンを作ったり、音楽を聴いて気持ちを高めたり、それぞれがメンタルを整える方法を編み出している。プロでもそうしているくらいだから、君も試合前に気持ちを上げる方法や緊張をほぐす方法をいろいろ探ってみるといいんじゃないかな。いろんな選手のそういう方法を調べるのも楽しそうだしね！