全国の小・中・高等学校が休校中の今、子どもが家で過ごす時間が必然的に長くなっています。子どもの行動の悪い面ばかりが目につき、ついガミガミ叱ってばかりいませんか? 「AERA with Kids春号」では、「神メンタル」「神トーーク」という本がベストセラー中の星渉さんに、子どもを伸ばす親の声かけ術を聞きました。

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 子どもが家にいる時間が長くなると、良くも悪くも子どもの行動が目につきやすくなります。家事に忙しい中で、テレビやYouTubeばかり見ているわが子が目につくと、つい「いつまで見てるの!」とイライラしたり、「少しは勉強でもやれば!」など命令口調になってしまったり。最近家の中がギスギスした雰囲気になっています、という親御さんたちの嘆きも聞こえてきます。

「人を動かす伝え方」の第一人者である星渉さんはこう言います。

「このような時こそ大事なのは、親の声かけです。親の声かけ次第で、子どもは『自分でやりたい』と思ったり、やる気を失ったりするのです。これは大人でも同じ。『人の心を動かす方法』は決まっています。子育て中の親御さんたちにはぜひ知っていただきたいテクニックです」

 では、どんな声かけをすれば子どもは自分から動くようになるのでしょうか? キーワードは「安心感」と「自己重要感」だといいます。人が「何かをやろう」という意欲を引き出すためには、人間が持っている「満たしたい感情」に注目することです。その中でもとくに大事なのが、「安心感」と「自己重要感」。何かを目指して頑張れるのは、「ここが心地良い」という「安心感」と、「自分は価値がある存在だ」という「自己重要感」を持っている子なのです。

 では「安心感」と「自己重要感」が満たされる声かけとはどんなものなのでしょうか? 今日からすぐに使える声かけ術を星さんに伺いました。

(1)「好き」という言葉をさりげなく入れてみる

例:「パパは家族がいちばん好きだよ」
  「ママ、この絵すごく好きだわ」
  「〇〇ちゃんのあきらめない姿勢がすごく好きよ」

「好き」という好意を伝えることは、相手に安心感を与える最高の手段です。安心感を覚えると、「好き」と言ってくれる相手の話に耳を傾けようとする「好意の返報性」が生まれます。例にあるように「好き」という対象を子ども本人でなく、「集団、もの、行動」などにずらしてみてもOK。脳には「目的語を区別できない」という特性があるため、このような言い方でも「『好き』と言われた」と認識するからです。

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AERA編集部
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