子どもたちがSNSで事件に巻き込まれるニュースがたびたび報じられる。どうしたら巻き込まれずに済むのか。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」2月号に掲載された記事を紹介する。

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 さみしい、つまらない……。そんな思いを、SNSにつぶやきたくなったことはあるだろうか。

 昨年、大阪市の小学6年生の女の子を誘拐したとして、35歳の男が逮捕された。女の子はツイッターに「家出したい」と書き込み、男が「うちに来ない?」と誘った。女の子は、男の本名も住所も知らなかったという。

 ネット上では、名前や住所はもちろん、年齢も職業も性別も、簡単に偽れる。顔画像だってごまかせる。「同年代の同性だよ~」と言ってくる相手が、実は下心を持つ大人の可能性もあるのだ。

 相手は、優しい言葉であなたの気持ちに共感してくれるかもしれない。それでも、本名や学校名、住所を教えたり、顔画像を送ったりするのは避けよう。それらの情報をもとに脅されたり、学校や家の近くで待ち伏せされたりすることがある。

 しつこく色々と要求してくる人には「親(学校)に禁止されているから」と断っていい。それで怒るような相手は、あなたの気持ちよりも自分の欲求を優先している。もはや友情でも愛情でもない。

 SNSで知り合う人とは、誘われても会わないのが基本。「とりあえず待ち合わせして、怪しそうなら逃げればいい」と思うかもしれないが、最初は一人で来た相手が、途中で仲間を呼んであなたを取り囲む場合もある。カラオケ店や車に連れ込まれ、性的に暴行される被害も多発している。

 ただ、相手と趣味などが合い、過去の投稿内容も見て「信用できる」と判断し、会ってみたくなることもあるだろう。そんなときは事前に、相手のアカウントや会う場所を親に伝え、万が一に備えておきたい。

 実際にSNS絡みで嫌な目にあったらどうするか。そこにどんな理由があろうと、あなたは悪くない。悪いのは、まだ子どものあなたを狙う大人たちだ。だから安心して相談しよう。信頼できる大人が身近にいなければ、LINEやチャットで相談できる窓口もある。

 一人で悩む必要はない。あなたは、守られていい存在なのだから。

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渡辺真由子
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