安浪:次に集中力についてお聞きしたいのですが、集中できる時間って脳からするとどのくらいでしょう?

枝川:集中力が続く時間は20~30分といわれています。ですから、30分一本勝負くらいが勉強の効率としてはいいと思います。

安浪:集中する時間と休憩時間のとり方にもコツがありますか?

枝川:ハウツーテクニックとしては「ポモドーロテクニック」というものがあります。ポモドーロはイタリア語でトマトのことですが、それとは関係なくて、発案した人が時間管理にトマト形のキッチンタイマーを使っていたからついただけだといわれています(笑)。それによると25分集中して5分休憩するパターンが最適とされています。休憩を含めてトータル30分ということですね。

 ただこれも大人を対象にしているので、子どもだと25分の集中がもたない子もいるでしょう。子どもの場合は、集中力が切れたら気分転換すると考えてもらえばいいと思います。集中できる時間が短い子は休憩を多めに入れてあげればいいですし。このときの注意点は、気分転換にスマホをいじったり、ゲームをしたりするのはNGということです。気分転換にはなるけれど、脳は働きっぱなしになりますから脳の休憩にはならないんですね。

安浪:休憩時間に本を読んだり、親とトランプしたりする子もいるのですが、これもじつは脳を働かせ続けていることになるのですか?

枝川:確かにそうですが、影響が大きいのはスマホなどのデジタル機器です。そして、脳を休ませる休憩のとり方ということでいえば、いちばんよいのは「眠る」ことです。脳の働きを見るテストでは、10~15分の昼寝をしたときが最も脳のパフォーマンスが上がることがわかっています。反対に昼寝の時間が30分を超えると睡眠が深い状態になってしまい、脳のパフォーマンスは低下してしまうんですね。

安浪:昼寝が難しい場合はどうしたらよいでしょうか?

枝川:外からの情報は目から入ってくるものが圧倒的に多いので、10~15分の昼寝が難しいときは、目をつむっているだけでも脳の働きはよくなります。

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