今、ボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームが世界中で大人気。家族で楽しめるのはもちろん、子どもが成長する上で必要な力を、遊びながら身につけることができます。『AERA with Kids冬号』(朝日新聞出版)では、最近おすすめのボードゲームや、楽しみ方について紹介しています。

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「今、ボードゲームは世界的に人気が広がってきています。1990年代にボードゲームが流行したことをきっかけにドイツ国内で広がり、その後さまざまな国の大人がドイツのゲームを楽しむようになりました。ユーザーが増え、親子でボードゲームを楽しみたいということから、子ども向けゲームも多く発売されるようになりましたね」

 こう話すのは、ドイツで保育の仕事に携わったのちに、日本の教育現場でボードゲームを活用した講演を多数行っている畑直樹さんです。毎年ドイツのボードゲームの見本市に参加していると、そのときどきのトレンドも見えてくるそう。

「見本市では、さまざまな国の年間ゲーム大賞を受賞したゲームなど、毎年たくさんのゲームが紹介されます。それらのゲームを見ると『今年はこういうゲームが流行っているんだな』と世界的な傾向を見ることができます。今年は個人の勝ち負けよりも協力してゴールを目指すゲームが注目されていましたね。フランス年間ゲーム大賞でも協力系ゲーム『ミスターウルフ』が受賞しましたし、見本市でも、協力ゲームが多く見られました」

 ボードゲームというと、参加する人同士で速さを競ったり、策略を巡らせたりして、「誰が勝つか」を競うイメージがあります。しかし、協力ゲームは場にいる全員が力を合わせてミッションをクリアしたり、危機を脱したり、全員で勝利を目指すというもの。友だちや家族で取り組むと、あれこれ相談しながらゲームを進めるため、終わったときの達成感が大きい、と畑さんは話します。

「協力ゲームならワイワイ話し合ったり試行錯誤したりしながら、ゲームの中の世界を全員で満喫することもできます。アクション要素の入った協力ゲームなら、みんなで気持ちを合わせて動かさないとゲームが終わってしまいます。相談にしても気持ちを合わせるにしても、人と関わりながら進めていくゲームは、駆け引き、交渉、推理、洞察などのアイデアがより多く生まれるのではないでしょうか」

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AERA編集部
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