「いちばん簡単なのは自分にOKを出すことです。『自分を許し』、『自己受容』することで、プラス要素はどんどん上がっていきます。ですから、『イライラしていい』という許可を自分に出すことが大切なのです」(星さん)
だからといって、怒鳴ったり、叱りつけたりするのがOKということではありません。星さんがプラス要素を高めるためにもっとも重要だと考えているのが、日々使う言葉を変えることです。使う言葉によって日々の感情をコントロールできることは科学的にも示されているといいます。そのメカニズムがこちら。
感情が生まれるメカニズム
ワード(言葉)→ピクチャー(映像)→エモーション(感情)
「イライラするときに発する言葉、『ダメじゃない!』『早くしなさい!』等の言葉を使うと、脳は現在だけでなく、過去に起こったイライラした場面も思い浮かべてしまい、その映像を見てイライラする、という感情が生まれるのです。実は感情のスタートは言葉。叱っているうちにヒートアップしてしまう、というのもこのメカニズムがあるからです。
そこで、怒りをコントロールするためには、スタート地点の言葉を変えることが何よりも大切。子どもに言いたくないネガティブワードをあらかじめ書き出し、代わりに使えそうなボジティブワードを決めておくといいと思います」(星さん)
実際に星さんからのアドバイスを受け、ポジティブな言葉を使うことを心がけて2週間生活してみたママたちの声がこちら。
●Oさん
10歳長女と5歳長男は毎日家で大騒ぎ。「うるさい!」と怒鳴るのが日課になっていました。そこで、「うるさい!」という言葉を「元気だね!」という言葉に変換したら、子どもたちも私もつい笑ってしまって、イライラがぐんと減りました。
●Sさん
とにかく、周りに「ありがとう」を積極的に伝えるように心がけたところ、子どもや夫もいい気分になり、家族間に気持ちのいい空気が流れるようになりました。長男にお手伝いを頼むときにも「○○やってね!」と命令するよりも、やってくれたときにすかさず「すごく嬉しい! ありがとう」と言ったほうが断然積極的にやってくれることを発見しました。
●Aさん
3人の子どもたちの世話と仕事に追われ、毎日イライラしてしまい、とくに7歳の長女に対しては、「まだやってないの?」とネガティブな指摘が多かったことに気づきました。「まだやってないの?」を「何ができた?」という言葉に変換したところ、褒める場面がグンと増えました。
誌面では、実際に星さんのセミナーを4回受講したママたちの様子をリポート。ママたちの変化の声を参考に、「イライラ解消法」を実践してみてください。
星渉,tomekko,高濱正伸,安浪京子