小学校が夏休みに突入し、親たちを悩ませるのが毎日の食事作り。暑さから手軽な一品ごはんにしたり、冷たいものや甘いものばかり与えたりしていませんか? 「AERA with Kids夏号」(朝日新聞出版刊)では夏休みの食生活がキケンになる理由、子どもに必要な栄養を効果的にかつ手軽にとるコツについて教えてもらいました。

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「実際、夏休み明けは体調を崩す子が増えるんです。食生活が子どもの心身にいかに影響を及ぼすか、夏休みでわかります」というのは、子どもの栄養に詳しい一般社団法人ラブテリ代表理事の細川モモさん。
夏休みに子どもの食生活がピンチになる背景として、次の3つのことがあげられます。

1.手軽さ優先の一品ごはん

 そうめん、うどん、冷やし中華にパスタ、ピザ。確かにおいしいけど、そのほとんどは炭水化物。おかずや野菜は足りている? よくかまずに食べてない?

2.冷たくて甘いものやスナックばかり

 家でも出先でも、冷たくて甘いジュースやアイスやスナック類を、がぶがぶ、ムシャムシャ。肝心の食事の時間におなかがすかないこと、多いんじゃない?

3.汗をかいてミネラルが流出
 
 家でゲームするよりいいけれど、ギラギラと暑い夏の戸外は汗とともに塩分や鉄分などの必須ミネラルがどんどん流れ出る! 熱中症や紫外線も心配。

 夏休み前まであった学校給食は、成長期に必要とされる一日あたりの栄養量の3分の1を昼食でとれるように考えられています。ところが夏休みは給食がないうえに、親子ともに生活が乱れるリスキーな要素が満載。暑いからつい調理に手を抜く、冷たいものを食べすぎる、夜更かしをする……結果、いつも以上に栄養バランスが崩れてしまうのです。以前よりやせる子、太る子、筋肉が落ちてしまう子、夏バテなどで元気のない子や集中力をなくす子が2学期によく見られるようになります。

 では、栄養面でどのように気をつければいいのでしょうか。成長期の子どもにとくに必要とされる五大キーワードは、たんぱく質、DHA、鉄、カルシウム、発酵食品。成長期には大人以上に積極的にとってほしいものばかりです。子どもは大人とくらべて、体重1キログラムあたりで見ると、たんぱく質は約1.5倍、鉄・カルシウムは2~3倍も多くとることが理想といわれています。

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篠原麻子
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