中学生になると、部活動や塾の予定、学校行事や家庭学習の時間など、自分で時間管理をすることが増えてきます。学校によってはスケジュール管理の指導をするところもあるようですが、特にそのような指導がない場合は、使いやすいアイテムやツールを選んで自己管理ができるようになってほしいもの。小学生時代は特に何もしていなかった子どもたちが中学生になったとき、どのような方法で時間管理をしていくとよいのでしょうか。『AERA with Kids冬号』(朝日新聞出版)では、手帳やタブレットを使ってスケジュール管理をしている私立中学を取材しました。
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城北埼玉中学・高等学校では、中1と中2に「JSノート」というオリジナルスケジュール帳を、中3以降にはシステム手帳をもとに作った「スコラ手帳」を使ってスケジュール管理をいています。
「JSノート」は、見開きで1週間分を書き込むもので、「睡眠」「部活動」「勉強」の時間やその日学習したことなどを書き込める、記入フォーマットがしっかりあるタイプ。担任の先生は毎日ノートを集めて「起床」「家庭学習」「就寝」の時間の3点を確認し、生活が安定しているかどうかをチェックします。
「中学生活が始まると、勉強や部活動、学校行事などが忙しくなるため、生活習慣が崩れやすくなります。はじめは学習習慣をつけさせるためにこのノートを始めましたが、やっていくうちに生徒の悩みやトラブルを抱えているときに、『起床・学習、就寝』時間の3点が崩れることがわかってきました。今では学習の量よりも時間の3点固定ができているかを見ながら、日頃の経過を評価するようにしています」
こう話すのはノートの開発に携わった奥貴行先生です。中1から始めることで、生徒はみんな当たり前のこととして記録していくそう。中1のIくんも「ノートの学習時間の部分を見て『今週はこんなに頑張ったんだ』と達成感を感じる」と話します。
JSノートで記録することに慣れると、中3から「スコラ手帳」というシステム手帳に切り替わります。なぜ記録の方法を中3で変えるのでしょうか。
「この学校では中1から高3までを2年ずつ区切っていて、中1、中2で3点固定が定着したら、中3からは『自分の時間は自分で決める』段階へとステップアップするのです。バーチカルのフォームを使うことで自由度が上がり、生徒の自主性もぐっと伸びるんですね」(奥先生)
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