小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「みんなみんな子どもだった」。今回は俳優の木村佳乃さんの幼少時代の話を聞きました。ドラマや映画で、さまざまな役を演じる木村佳乃さん。最近ではバラエティー番組で、女芸人顔負けの体当たりのお笑いにも挑戦!
* * *
小学生時代は、ランドセルを背負わないまま学校に行ってしまったり、上履きを履き替えずに帰ってしまったり─。空想好きで、ぼーっとしたところがある一方で、一輪車に乗ったり、秘密基地を作って探検したりと、外で遊ぶのも好きな普通の小学生でした。
中学生のときに、父の仕事の関係でアメリカのニューヨークに引っ越しました。アメリカに行く前は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「E.T.」「グレムリン」の映画で有名な国だわって、ワクワクしていました。いろいろな人種の人たちがいて、さまざまな宗教の人が集まるニューヨークなんですけれど、なぜか日本人であるということだけで差別を受けました。人種というどうしようもできない、その一面だけで差別されることがとても残念でした。また、日本がバブル経済の絶頂期だったこともあり、お金もうけばかりする国だと非難されることもありました。
悔しかったですね。こういった経験から、日本の映画や文化などに携わって、日本の映画を海外の方にも見てもらいたい。そして、日本の文化のすばらしいところや、日本人ってこうなんだよと芸能でアピールしたい。その思いをずっと持ち続けながら仕事をしています。
■みなさんへ
相手の表情やしぐさなどから気持ちを察し、思いやれる人でいてほしいです。「○○ちゃん、なんだか具合が悪そうだな」「なんだか元気ないな」とそういう気遣いのできる心ってとても尊いものだと思います。私が海外に住んで感じた日本人の良さのひとつなんですよ。
※月刊ジュニアエラ 2018年9月号より