小1女子、小4男子の母、フリーの編集者Mさんは、長男が小3のときにPTAの役員を経験しました。

「子どもが通う小学校には、一度役員を引き受けると、きょうだいの時代は免除になるという制度があるんです。ですから、下の娘が入学する前に『今やってしまおう』と手をあげました。ひんぱんに会議への出席などがあり、負担は大きかったですね。さらに、いろいろな人がいるので、正直もめ事がなかったわけではありません。ですから『これは、どこでもよくある話だよね』と気の合うお母さん同士で励まし合っていましたね。でも、私がしょっちゅう学校に行くので、息子は内心嬉しかったようです」

 学校に行った日は、子どもに「今日、体育の時間に鉄棒をしていたね」「音楽室に移動するところを見かけたよ」なんて声をかけるだけで、子どもは嬉しさいっぱい。共通の話題も自然と増えてきます。

「委員や役員を経験すると、専業主婦のママや働くママ、子どもとはちがう学年のママなど、いろいろな知り合いができます。『あの先生はどんな感じ?』なんて情報も聞くことができましたし、学校や地域、習い事などもレアな情報を教えてもらうことができました」(Nさん)

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 どうしてもネガティブなイメージを抱いてしまうものですが、実際に経験してみると「いいこと」もたくさんある様子。

 最近は、PTAの役員や委員・係活動に、働くママたちが多数参加しています。活動をもっと効率的にするために、会議の回数を減らしたり、時間帯をずらしたりと工夫をするところも。仕事を分け合い、家で仕上げるスタイルも増えています。

 また、「ママ友同士で誘い合って参加して、フォローし合いながら乗り切るのも手」「委員や係は、低学年なら大変な仕事は振られないのでおすすめです!」というのは、経験者ママのアドバイスです。

「その一年間は本当に忙しかったのですが、委員をしたことでママ友もたくさんできました。これがいちばん嬉しかったこと。大切な財産です」(Nさん)

 働くママにとって、壁と思われがちなPTA役員。でも、やみくもに嫌うのではなく、こんなふうに実際に経験した人の話を聞いたり、現場を見学したりするのは大いに意義がありそうです。もしかしたら、自分でも意外なほどハマるかもしれませんよ!

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2018年 春号 [雑誌]

高濱正伸,安浪京子,tomekko

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AERA編集部
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