恐竜の最新研究に詳しい恐竜くん(田中真士さん)は、子供のころに博物館で恐竜にひとめぼれしたという。小中学生向け月刊誌「ジュニアエラ」8月号の特集「もっと知りたい! 恐竜最前線」の監修者である恐竜くんに、恐竜と出会ったきっかけや、開催中の恐竜科学博の見どころを聞いた。

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――恐竜くんはどんな子どもだったの?

 アリの巣を一日中眺めていたり、新しい昆虫を見るとそのことで頭がいっぱいになったりするぐらい、生き物が大好きな子どもだったよ。よく母と一緒に上野の動物園にも行っていたね。

――恐竜との出会いはいつ?

 6歳のある日、たまたま入った上野の国立科学博物館の入り口に、タルボサウルス(ティラノサウルスのなかま)の巨大な骨格がドーンと展示されていたんだ。大きさといい形といい、本当にすばらしくて、あの瞬間の光景は今でも思い出せるぐらいの衝撃。まさにひとめぼれだったね! 

――そこから恐竜に目覚めたんだね。

 両親は僕が興味を持ったことを全力で応援してくれて、誕生日には恐竜グッズを買ってくれたり、夏休みになると父が「日本中の博物館をめぐる旅をしよう」といって、北海道から北陸をまわったりしていたよ。なかでも、8歳のときに行った恐竜展は、恐竜研究が盛んなカナダ・アルバータ州の恐竜がテーマだったんだ。そこで、恐竜研究を仕事にしている人がいると知って、「将来はアルバータ州で恐竜の研究をするぞ」っていう目標を立てたよ。そして16歳のとき、ついに念願のカナダへの単身留学が実現したんだ。

――すごい行動力だね!

 僕は大好きな恐竜を追いかけることで、いろんな場所に行って、たくさんの人に会ってきたよ。アメリカ・サウスダコタ州にあるブラックヒルズ地質学研究所の所長で、有名な古生物学者でもあるピーター・ラーソンさんもその一人だよ。

 僕は中学2年生のとき、学研が主催する、アメリカとカナダの恐竜研究所や発掘現場をめぐるツアーに一人で参加したんだ。そのときに行ったブラックヒルズ地質学研究所でピーター・ラーソンさんと一緒に写真を撮ってもらって以来、ずっと憧れの人だったんだ。

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AERA編集部
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