東アフリカのバッタ大発生で深刻な農業被害 日本に来る可能性は?

ジュニアエラ

2020/06/05 17:00

 群生相のサバクトビバッタは、驚くような移動能力、飛翔力を見せる。大群は1日に100キロメートルくらい飛ぶこともある。記録として残っているものでは、1988年にアフリカで大発生したとき、大西洋を越えてカリブ海の西インド諸島や南アメリカ大陸にまで達したものもいた。途中に陸地はないので、海を越えて飛んだ距離は約4500キロメートルに及ぶ。

 さらに驚くのは、大群の大きさとバッタの数、そして旺盛な食欲だ。FAOによると、大群の大きさは面積にして1~数千平方キロメートルにもなり、1平方キロメートルの大群の中には4千万~8千万匹の成虫がいるという。1匹の成虫は1日に、自分の体重と同じ約2gの餌を食べる。1平方キロメートルの大群に4千万匹の成虫がいた場合、一日に約3万5千人分の食糧を食べることになる。

●バッタの大発生は日本でもあった!

 今回の大発生でも、サバクトビバッタは長距離を移動して分布を広げている。3月末現在、アフリカ大陸内にとどまらず、海を渡ってアラビア半島からイラン、パキスタンでも大発生している。この勢いが抑えられないと、「日本まで来るのでは?」と不安になるが、その心配はないという。サバクトビバッタは寒さに弱いので、パキスタンやインドと中国の間にそびえるヒマラヤ山脈を越えるのが難しいからだ。

 とはいえ、日本がバッタの被害と無縁というわけではない。過去には、トノサマバッタの大発生が日本の人々を苦しめてきた歴史があるからだ。1880~84(明治13~17)年には、北海道で大発生して大きな農業被害をもたらしている。

 サバクトビバッタの生態や大発生のしくみについては謎も多く、現在のところ殺虫剤(農薬)をまくしか対策がない。そのための人も資金も十分ではなく、FAOは、1億3800万ドル(約150億円)の支援を世界各国に呼び掛けている。今しばらくは、サバクトビバッタのニュースにも注目しておこう!

(サイエンスライター・上浪春海)

※月刊ジュニアエラ 2020年6月号より

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