北朝鮮のミサイル発射について記者団の取材に応じる安倍晋三首相。政権がピンチのときに得意の外交・安全保障で支持率を挽回してきた (c)朝日新聞社
北朝鮮のミサイル発射について記者団の取材に応じる安倍晋三首相。政権がピンチのときに得意の外交・安全保障で支持率を挽回してきた (c)朝日新聞社

 日本ファーストの会が年内の国政政党化を目指し、民進党が新代表の下、再出発をする。今のままの自民党で選挙に勝てるのか。党内の動きが騒がしくなっている。

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 日本経済新聞社とテレビ東京が8月25日から27日に行った世論調査では、内閣支持率は内閣改造後の調査からさらに4ポイント上がり、46%まで上昇。安倍政権への風当たりが弱まったように見えるが、その数字を額面通りに受け取る人は永田町にはいない。政治ジャーナリストの角谷浩一さんはこう話す。

「内閣改造後はご祝儀相場。国会閉会中は野党の活動が見えず、与党の支持率は上がる。加計学園問題を始め、納得のいく説明が閉会中審査でも行われておらず、秋の臨時国会が始まれば状況はまた変わる。衆議院議員の任期満了が来年に迫るなか、安倍政権に不安を持つ議員の一部に安倍離れが起きている」

●自民党は相当深刻

 そんな動きの一つだろう。自民党の議員有志が8月25日、安倍政権に批判的な有識者を講師に招く勉強会「日本の明日を創る会」を発足させ、国会内で初会合を開いた。衆参両院議員19人、代理を含めると約30人が出席した。講師に招かれた政治評論家の森田実さんは「自民党の現状は相当深刻」「(憲法改正は)国民投票で間違いなく否決になる」などと苦言を呈した。

「反安倍」とも見られかねない集まりだが、呼びかけ人の中心である平沢勝栄衆議院議員(二階派)は、こう反論した。

「二階俊博幹事長に報告したうえで、勉強会を立ち上げ、会合もすべてのマスコミに公開して行っている。反安倍でも、安倍降ろしが目的でもない」

 かつて平沢氏は東京大学の学生時代、安倍首相の家庭教師を務めたこともある。入閣待機組の有望株ながら、今回の内閣改造で処遇されなかったが……。

「都議選の大惨敗を受け、東京の議員中心に動き始めた。内閣改造の後に動き始めたわけではない」と平沢氏は否定し、こう言葉を継いだ。

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