日本人も無関心でいられない 宇宙のインフレーション理論 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本人も無関心でいられない 宇宙のインフレーション理論

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重力波を検出する「KAGRA」のL字型トンネル(岐阜県飛騨市) (c)朝日新聞社 

重力波を検出する「KAGRA」のL字型トンネル(岐阜県飛騨市) (c)朝日新聞社 

 STAP騒動でざわついていた国内科学メディアが、ちょっとうれしいニュースを伝えた。3月のことだ。米国ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームが南極に置いたBICEP2望遠鏡で、宇宙から届く電波を調べて「インフレーション理論」の証拠を見つけた、と発表したのである。

 この理論は、宇宙のはじまりに急膨張があった、とするものだ。日本の宇宙論学者佐藤勝彦さん(自然科学研究機構長)が提唱者の一人である。日本の科学界にとっては無関心でいられない話だった。

 では、その宇宙論のシナリオはどんなものか。宇宙最初の大爆発ビッグバンとインフレーションのどちらが先か、ということでは見方が分かれているが、ここでは、佐藤さんのインフレーション理論に沿って話を進めてみる。

 まずは、宇宙の本当のはじまりだ。ホーキング博士は、そこに「虚の時間」を置いた。虚数の時間なので何時何分何秒に始まったと言えないところがミソだ。一方、旧ソ連出身で在米の宇宙論学者アレクサンダー・ビレンキン博士は、ここに量子力学のゆらぎをもち込んだ。無の世界からトンネル効果でポッと現れたという。

 次に起こるのが、インフレーションだ。生まれた宇宙には真空にもエネルギーがあって、それが急膨張を引き起こすという。佐藤さんの理論では、1秒より三十数桁も小さいほんの一瞬に、宇宙の大きさは数十桁以上も膨らんだ。小幅な見積もりでも26桁というから、たとえれば100円の品物が1兆円の1京倍ほどに急騰したことになる。

 その膨張によって出現したのが火の玉だ。これが、あのビッグバンである。


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