別のIT系企業では、花束ではなくバイク便で内定証書を送る。内定を出す段階で、家に何時に帰るか聞いておいて、その時間に着くように手配するという気の使いようだ。この企業では常日ごろから「スピードを意識する」ことを目標にしているため、企業理念を学生に体感してもらう意味もあるという。

 ソフトウエアを扱う中小企業は、学生に内定を伝える時の言葉がけにひと工夫がある。必ず「おめでとう」といって本人と握手をするのだ。日本人は握手などのスキンシップをする習慣がないので、学生は喜ぶという。他社よりも学生を大事にしている印象を与えるための「戦略」だと担当者は断言している。

AERA 2013年9月2日号