「いつ保釈決定が出るかわからないので、現金で集めました。マンションの部屋は厳重にかぎをかけて、1週間ほどかけて、用意した。保釈保証金が決まり、車に積み込むのですが、金が1台の車に入りきらない。もう1台、車を用意して、知人に護衛代わりに別の車を運転してもらい、日本銀行に持ち込んだ。今度は現金を数えるのにすごく時間がかかった。午前中から数えはじめて、終わったのは夕方。裁判所の会計課が午後5時で終わり、保釈されない可能性があり、ひやひやでした。現金は、本当に重くて、次の日は、腕があがらないほどでした」

 ゴーン被告の場合、保釈条件に東京都内に居住し、海外渡航はしない、定められた制限住居の出入り口に監視カメラを付けるなどが保釈の条件に盛り込まれている模様だ。

 保釈保証金は、保釈の条件に違反せず、判決が確定すると返還される。

 だが、利息がついたり、手数料が除かれることない。納めた金額がそのまま戻ってくる。

 ゴーン被告の裁判はすでに公判前整理手続きが始まっているが、公判がはじまるまでに1年以上はかかる見通し。

 1審判決が出るのは、数年後とみられる。10億円の保釈保証金はその間、“塩漬け”状態となる。

※文中で「保釈保証金は、必ず現金の納付が求められる」という記述がありましたが、誤りがあり、正しくは「保釈金が高額の場合、現金で納めるケースが多い」でした。訂正してお詫び申し上げます。

(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事