親がやりがちなのが、名前ちゃんと書くのよ、きれいな読める字で書くのよ、時間配分に気をつけるのよ、問題の大事なところに線を引くのよ……といった声かけです。でも、いろいろ言ったところで一つも子どもの頭に入りません。以前、お子さんの心のケアをされている先生がおっしゃっていたのは、「本人に聞く」のが良いと。「入試で一番、何に気をつけて挑む?」と聞くと、本人が「時間配分」とか「見直しをする」とか考えるので、「ではそれだけやっておいで」と声をかければ十分。親があれこれ言うのではなく、子どもから引き出してあげてください。

Q)受験を控えた親御さんにメッセージをお願いします。

A)入試は、最後の最後まで何があるかわかりません。不合格が続くといった想定外が起きると、親御さんはどうしたってパニックになるので、まずは【一つ相談先を確保しておく】ことをおすすめします。

 塾の先生の中だったら誰に相談できますか。電話をかけた時に、その先生がたまたま校舎にいないという場合もあります。その時は、誰にどのタイミングで次の指針を出してもらうかなど、事前にリスト化しておいたほうがいいですね。ご家庭だけで何とかしようとすると、親も平常心を失っているので正常な判断がつかないことも。

 第一志望に受かるのは4人に1人。4人のうち3人は第二志望以降の学校に進学することになります。だからこそ、受験校のどこに行っても「その学校にご縁があって、うちの子に向いている」と、まず親が心から思い、結果が出た時にお子さんに言えるようにしておいてください。その言葉によってお子さんはすごく救われるし、何より親御さん自身が、もしもの時の心の準備ができます。

※前編【中学受験超直前!自信をなくしている子には、励ましより「過去問を」 プロに聞くアドバイス】から続く

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