マルチに活躍する大宮エリーさんですが、花まる学習会代表の高濱正伸さんとの対談では、子ども時代は「いじめられっ子だった」「鍵っ子で寂しかった」「算数が苦手で要領も悪かった」などなど意外な話が続々! でもエリーさんにかかると、どんな話でもクスりと笑えて力が湧いてくるエピソードになっているのです。発売中の「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から抜粋してお届けします。

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■学校が嫌いだった私が学校をつくったワケ

高濱 僕はエリーさんのことを、抜群の地頭と地センスで育ってきた人だなと思っているんです。多方面でスイスイ活躍しているし、ついには「こどもエリー学園」も始めてくれて。教育界に身を置く者としてすごく期待しているんですよ。

大宮 最初、右脳を鍛えるための、大人向けに始めたんですが、親御さんに子ども向けの学校もぜひ作ってほしいと言われて。今は小1から中3までの子どもたち50人とオンラインで行っていて、不定期で新規メンバーを数人いれる感じ。生徒は北海道から奄美大島やシンガポールまで広がっています。小さいころから世界は広い、日本中、世界中の人とコミュニケーションがとれる視野の広さを持ってほしいと。学区内にいなくても全国に広げれば一生の親友ができます。

高濱 さすが。僕もこの4月からフリースクールを始めたんだけど、不登校の子どもたちが、本気の大人とガッチリ触れ合うことでみるみる変わっていく様子を目の当たりにしているところです。そうか、こういう小さい単位の学校が全国にたくさんあれば、日本の教育はもっと良くなるぞと確信を持ちました。

大宮 結局社会に出て役に立っているのはクリエーティブ力だなと思いました。受験にもそれは役立ちました。自分に合った勉強の仕方を自分で編み出すのもクリエーティブですから。「ことば」と「アート」を自ら直接教えています。たとえば、「赤を極める」では、「赤ペン1本で青い海を描く!」という授業をしました。子どもは面食らいますが、「北海道の海と沖縄の海は違うよね?ヤシの木があるの?流氷がある?」「夜の海?朝の海?」とどんどんヒントを与えると、わあ!とガシガシ描きはじめる。赤で青いものを描けると、どんな壁も乗り越えられる。

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篠原麻子
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