好きなことに目いっぱい打ち込み、未来にはばたこうとしているキッズを応援する連載「はばたけ!スーパー・キッズ」。(現在好評発売中の『ジュニアエラ5月号』の記事から紹介します。)

 連載第1回に登場するのは、鹿児島県徳之島出身の中学2年生の豊田倫之亮さんだ。

 165センチ、108キロの引き締まった堂々たる体格で、小学生のとき、相撲の全国大会で6度も優勝している。

 でも、小学校卒業を機に、故郷を離れる決心をした。もっと強くなるために─―。

*  *  *

 豊田倫之亮さんには生まれ育った徳之島の隣の島にライバルがいる。

 奄美大島の重村鴻之介さんだ。小4の夏、わんぱく相撲の地区予選決勝では倫之亮さんが敗れ、大泣きした。

 勝った鴻之介さんは全国大会に進み、日本一に。悔しさをバネに稽古に励んだ倫之亮さんは、小5の地区大会決勝では雪辱し、全国大会でも勝ち進んで日本一になった。

 小6のとき、コロナのせいで大会がなくなるなか、鴻之介さんと稽古した倫之亮さんは、思うように勝てず、ショックを受ける。

 このままでは、ライバルに後れを取ってしまう――そう思い、稽古相手を求めて故郷を離れる決心をしたのだ。

小6のとき、故郷の海で趣味の釣りを楽しむ倫之亮さん(左)。右はよきライバルの重村鴻之介さん(写真/本人提供)
小6のとき、故郷の海で趣味の釣りを楽しむ倫之亮さん(左)。右はよきライバルの重村鴻之介さん(写真/本人提供)

 相撲留学先は、故郷から約1400キロメートル離れた千葉県柏市立柏第二中学校。ほかの相撲部員たちと寮に寝泊まりし、稽古に励む毎日は充実している。

 最初のころは毎日、故郷に帰りたいと思ったけれど、もう慣れた。

 体も大きくなり、強くなっている実感がある。

 1年生でレギュラーになり、先輩たちと臨んだ全国大会で鴻之介さんと再会した。

 対戦はなかったが、向こうも大きく、強くなっていると感じた。

 今の目標は中学横綱と団体日本一。その先には、大相撲で横綱になる夢がある。

 実現するため、倫之亮さんは今日もしこを踏む。

(文/ジュニアエラ編集部)

とよだ・りんのすけ/2008年6月22日生まれ。鹿児島県徳之島出身。1歳半で相撲を始め、小学生のとき、年に3回ある相撲の全国大会で計6回優勝。現在は千葉県柏市立柏第二中学校の2年生。午前6時に起きて洗濯・掃除、トレーニングの後、登校。放課後は約2時間、稽古に励み、午後10時就寝。数学と体育が得意で、理科が苦手。好きな食べ物は母のつくるハヤシライス。

ジュニアエラ 2022年 5月号 [雑誌]

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