大泉は713人から736人に増やしたものの、募集定員が増えたことで倍率は低下した。

 今年志願者を増やしたのが都立三鷹(三鷹市)だ。901人から944人に増加。

「多摩地区には公立中高一貫校が複数あります。一番難易度が高いのが都立武蔵高校附属(武蔵野市)で、例年だと難関私立と併願する受検生が多いのですが、今年は武蔵が避けられて三鷹が選ばれたのでは。三鷹では今年、合格しても入学手続きをしなかった受検生が12人いましたが、三鷹で10人を超えるのは、共同作成問題が導入された2015年以降では初めてのこと。私立との併願者が多かったことがうかがえます」(宮田さん)

 昨年大きく減少した都立富士高校附属(中野区)も、増加に転じた。

 逆に都立南多摩(八王子市)は810人から679人と大きく減らした。

「近隣には、都立立川国際(立川市)、武蔵、三鷹などがあり、志願者が分散したのかもしれません」(宮田さん)。

 来年は、都立白鴎高校附属(台東区)が高校入試を廃止する。これで千代田区立九段も含めて、東京都にある11校すべての公立中高一貫校の高校募集がなくなり、完全に中高一貫化する。

■神奈川県立は男女枠を撤廃

 神奈川県では県立相模原(相模原市)と県立平塚(平塚市)が男女枠を撤廃し、160人の統一定員で募集した。

「相模原も平塚も例年女子の志望者が多く、合格者の得点も女子の方が高かったことから、合格者はおそらく女子の方が多くなっているでしょう。その分男子は厳しくなったと思います」(宮田さん)

 横浜市立南高校附属は921人から860人、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校附属は538人から521人と減らしたが、依然難易度は高いという。

「両校とも、合格しても手続きをしない受験生が10人前後おり、私立との併願が多いことがうかがえます。特にサイエンスフロンティアは人気が高く、志願者のレベルも上がっています」(宮田さん)

 今年も昨年同様、川崎市立川崎高校附属の面接や県立2校のグループ活動が中止になった。

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