「なぜなら、過去問を解く目的は『なぜ点数が取れなかったのか』の原因を把握して、その対策をする事に尽きるからです。その対策時間がなければ、点数を伸ばしていくことは難しくなり、本番当日も賭けを行うことになってしまいます」(西村先生、以下同)

 間際になって点数が取れないと、親はつい、あれもこれもやらせなければいけない、と焦るでしょう。でも、それを全てやらせようとすると失敗に終わることが多くなるといいます。では、何を優先させればいいのでしょうか。

「コツは、やらせてみて点数が上がりそうなものを最優先事項にすること。子どもが苦手なことを優先するのではなく、これをやれば点数が確実に上がる、というものを見極めることが大切です。受験はすべての教科の総得点で合格点を取ればいいのですから、間際であれば、苦手な科目の点数を上げようと苦戦するよりも、点数に直結しやすい理科や社会の暗記もので点数を稼ぐのが得策です」

 これなら忙しい家庭でも、一問一答形式の参考書を見ながら、食後や就寝前の10分程度付き合ってあげることができそうです。社会は漢字の書き間違いで失点することもあるので、漢字のチェックも同時に行うとよいと西村先生は言います。

■過去問対策に親の小さな「ひと手間」

「過去問をやる際には、問題集にそのまま書き込ませるのではなく、解答用紙は特に、原寸大になるようにコピーをしてあげてください。問題集によっては、実際は◯%に拡大、というような記載がありますから、その通りに拡大してプリントしましょう」(西村先生)

 特に国語の記述問題は、解答欄の大きさが、答えのヒントになりますし、ちょうど良い分量を書く練習にもつながります。また算数では、最後の答えが間違えていても、途中まで合っていれば部分点をくれる学校も増えています。そのためにも、過程を書くスペースがどれだけあるのか、実寸サイズで確認しておく必要があるといいます。

NEXT記述問題を採点する際の注意点とは
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