私立小学校で6年間を過ごす場合、いくらぐらいの費用がかかるのでしょうか。そして、子どもの学びを支える教育費をどのように捻出すればよいのでしょうか。『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2022」』では、2人のお子さんを私立小学校に通わせたファイナンシャルプランナーの藤川太さんに話を聞きました。

ファイナンシャルプランナー・藤川太さん(写真/片山菜緒子)
ファイナンシャルプランナー・藤川太さん(写真/片山菜緒子)
私立小学校の初年度学費ランキング(『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2022」』から)。資料提供:小学校受験対策研究所 株式会社バレクセル。2021年調べ。調査対象は首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)の私立98校及び国立10校の計108校。6年間推定は、初年度+2年目以降学費×5年として推計。※21年度よりそれぞれEPクラス、JPクラスに改称。
私立小学校の初年度学費ランキング(『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2022」』から)。資料提供:小学校受験対策研究所 株式会社バレクセル。2021年調べ。調査対象は首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)の私立98校及び国立10校の計108校。6年間推定は、初年度+2年目以降学費×5年として推計。※21年度よりそれぞれEPクラス、JPクラスに改称。

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「私立小学校への入学を考える場合、お金の面では決して無理をしないでください、と言いたいです」

 そう語るのは、ファイナンシャルプランナーの藤川太さんだ。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、私立小学校に6年間通った際の学校教育費の平均額は541万8429円で、学習費総額は平均959万2145円に達する。私立小学校の初年度学費ランキング(別表)を見ると、首都圏では初年度学費が150万円を超える学校も少なくなく、6年間(推定)の学校教育費だけで700万円を超える私立小学校もある。受験前に幼児教室や塾に通えば、金額はさらに膨れ上がる。幼小受験 理英会の調べでは、幼児教室や塾に2年間通った場合、最大で約200万円かかるという。

 藤川さんも2人のお子さんを私立小学校に通わせた。その経験から「小学校入学までに6年間の学習費を貯金するのは難しいでしょう。合格時や入学後に親の収入から確保するか、祖父母に援助してもらうケースが大半です」と話す。

 藤川さんによると、親の収入を基本とする場合、年間学習費の8倍程度、約1000万円の世帯年収が一つの基準になるという。

■固定費の削減で学習費を捻出する

 収入から学習費を無理なく支払う場合、固定費の削減は必須だ。格安SIMのスマートフォンに切り替えるなど通信費を抑え、自由化された電気やガスは割安なプランを選択する。住宅ローンの借り換えや自動車保険の見直しも行い、車自体を手放す人もいるという。生命保険が負担の場合は無駄な保障を削ったり、複数の保険会社の商品を比較したりして、少しでも保険料の負担を減らしたい。

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池田敏明
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