宮田さんは横浜市立の2校の好調の要因を次のように話す。

「横浜市は人口が多く、両校とも交通の便もいいので受検生を集めやすい。また先端的で特徴のある教育を行っており、受検生や保護者からの支持も高い。同じ市内にある難関私立中と併願する生徒もいます」

 横浜市立南は、2012年に中学を併設。教育理念に「知性・自主自立・創造」を掲げ、発展的な授業に取り組んでいる。英語の授業は4技能を伸ばすため中1で教科書を5巡、中2、3は4巡繰り返すラウンド制を導入したり、総合的な学習「EGG」で探究活動を行ったりと、発展的な学習に取り組んでいる。附属中学の藤森潤子副校長は志願者増の要因を「志願者と話をしたなかでは、本校の教育活動の特色や、在校生・卒業生の活躍に興味を持たれた方が多いように感じました」と話す。

 千葉には県立千葉(千葉市)と県立東葛飾(柏市)、千葉市立稲毛の3校あり、いずれも併設型の公立中高一貫校だ。昨年よりも受検者を減らしており、県立東葛飾が40人、千葉市立稲毛が44人、県立千葉が116人減少した。しかし受検倍率は東京や神奈川、埼玉に比べて高く、県立千葉が7.45倍、県立東葛飾が10.24倍、千葉市立稲毛が7.28倍といずれも高水準だ。

 来年度から千葉市立稲毛は中等教育学校に変わる。高校募集がなくなり、中学の定員が80人から160人に増えて倍率も少し緩和されそうだ。

 埼玉には県立伊奈学園(伊奈町)と、さいたま市立浦和、さいたま市立大宮国際、そして今年開校した川口市立の4校があり、さいたま市立大宮国際以外は併設型で高校募集がある。3校とも前年より受検者を減らしており、県立伊奈学園が13人、さいたま市立浦和が59人、さいたま市立大宮国際が75人減少。新設の川口市立は563人の受検者を集め、倍率は7.04倍だった。新設した最先端の校舎も話題になった。

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