■関係者有利の学校がある?

 受験の合否判定に「縁故」は関係あるのだろうか? 気になる疑問への専門家3人の回答は、「まったくない、とは言えない」。

「テストの点数のみで決まる中学受験と違い、面接なども含め総合的に判断するのが小学校受験。とくに私立小学校では、避けられない側面もあります」(野倉さん)

 二宮さんは「親が卒業生、きょうだいが在校生などの場合、学校の雰囲気や教育方針をよく理解しているため、結果的に合格率が高くなるのでは」と話す。

 ただし、3人が口をそろえるのは「関係者も実力によってふるいにかけられるのは同じ」だということ。

「縁故とは無関係で合格できる学校もたくさんあります。受験するご家庭は噂を気にしすぎず、子どもの能力を伸ばすことに注力してあげてください」(久野さん)

久野泰可(くの・やすよし)
幼児教室「こぐま会」代表。幼児期に大切な「思考力」を育てるため実践教育を追求し、独自カリキュラム「KUNO メソッド」 を確立。著書に『「考える力」を伸ばす AI時代に活きる幼児教育』(集英社新書)ほか多数。

野倉 学(のくら・まなぶ)
バレクセル代表。リクルートを退社後、独立。専門サイト「お受験じょうほう」(https://www.ojuken.jp/)で小学校受験の実態や最新情報を発信。データを基に受験家庭や、私立小学校へアドバイスも行う。

二宮未央(にのみや・みお)
コラムニスト。小中・専門学校保育科と、聖心女子学院の一貫教育を受ける。卒業後は幼稚園教諭を経て結婚。著書『小学校受験バイブル 賢い子育てをするために』(宮田紀子監修、あさ出版)に、自身の子どもの小学校受験の体験をまとめた。

(文/澤田聡子)

※『AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び2021』より

【AERA English特別号】英語に強くなる小学校選び 2021 (AERAムック)

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澤田聡子
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