イギリス式インターナショナルスクールとして知られるブリティッシュ・スクール・イン・東京も、23年に港区麻布台に新キャンパスが完成する。「『現代のレオナルド・ダビンチ』と言われる有名建築家の設計で、完成予想図はまるでジブリ作品のよう」と村田さん。ラグビー校、ハロウ校の開校後は、イギリス式インターの存在感が一気に増しそうだ。

■注目株は寮制のスクール

 昨今の国内インターナショナルスクールについては、寮制の「ボーディングスクール」が一つのトレンドとなりつつある。兵庫県のカネディアン・アカデミイや長野県のユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンなど、中高生向けボーディングスクールはこれまでにも存在したが、これから開校予定のラグビー校、ハロウ校もボーディングスクール。また、小学生向けに「神石インターナショナルスクール」も開校した(本誌記事に詳細)。

 そんななか、村田さんが注目するのは、石川県の国際高等専門学校だ。高等専門学校(高専)とは、高校の一般科目に加え専門知識や技術も学ぶ5年制の教育機関。同校の国際理工学科は1、2年生が全寮制で、3年生はニュージーランド留学、4、5年生は金沢工業大学の学生と連携した研究活動を行い、その後、同大学の3年次に編入し大学院修士課程を目指すという独自の9年間一貫教育を採用しており、授業の大半は英語で行われる。

「ここは理工系のインターナショナルボーディングスクール、といったところですね。高専という選択肢はなじみが薄いかもしれませんが、世界で注目されているSTEM教育を英語で学べること、外国人教員の多さ、留学生の積極的受け入れなど、魅力は多いと思います」

 インターナショナルスクールの選択肢が増えるということは、保護者がしっかりとした目で学校を選ぶ必要がある、ということだ。

「ボーディングスクールも理工系スクールも、子どもに合っていれば力を伸ばすことができますが、合わなければ心が折れてしまうことも。個性豊かな学校が増えてきましたから、保護者は各校の教育スタイルと子どもの性格、学び方の特性が合っているか、見極めてほしいですね」
(『AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び2021』より)

(文/木下昌子)

【AERA English特別号】英語に強くなる小学校選び 2021 (AERAムック)

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木下昌子
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