もともとは、日本に住む外国人のために設立されたインターナショナルスクール。最近は日本人であっても、「子どもに英語を身につけさせたい」「自由な校風のところで学ばせたい」といった理由でインターナショナルスクールを選ぶ家庭もあり、校数は年々増加している。『AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び2021』(朝日新聞出版)では、インターナショナルスクールの現状の傾向や、今後注目したい新設校などについて、「インターナショナルスクールタイムズ」編集長の村田学さんに聞いた。

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 これまでは「別枠」として論じられることが多かったインターナショナルスクールと日本の私立中学、高校。今後、両者が競合する可能性があると村田学さんは予想する。

「『THE世界大学ランキング2020』で、アジア圏首位は中国の大学です。東京大学は現在36位。これまでは日本の進学校に通って東大をめざしていた層が、海外大学進学も視野に入れるようになると、インターナショナルスクールへの関心も高まると思います」

■イギリスの名門校が2022年、日本へ

 我が子を海外の大学に進学させたい保護者にとって、有力な選択肢となりそうなのが、22年に日本進出するイギリスのラグビー校とハロウ校だ。両校は“The Nine“と呼ばれるイギリスの名門9校に名を連ねる私立の伝統校である。

「日本で開校するのは、それぞれの分校という位置付けのインターナショナルスクールで、ラグビー校は中学と高校、ハロウ校は7~13年生の教育を提供する計画です」

ちなみに、イギリスの名門校といえばウィリアム王子の母校であるイートン校が有名だが、同校は日本を含む世界30カ国でオンラインプログラム“Eton X”を展開しているものの、他国に分校はつくらないポリシーだという。

ラグビー校もハロウ校も、ボーディングスクール(寮制)として地方に拠点を置くとのこと。ハロウ校は岩手県安比高原に9万平方メートルの敷地を確保。「ハロウ インターナショナルスクール安比ジャパン」として22 年夏の開校へ向けて、校舎や寮の建設が始まっている。

「両校ともイギリス本校のカリキュラムと連携し、日本の良さを加える教育をめざしています。スポーツ教育も本校同様、非常に重視しており、サッカー場、ラグビー場など、充実した施設を整備する予定だと聞いています」

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木下昌子
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