「子どもの脳が変化する」英語の早期教育は必要か 脳科学者2人の結論は

英語

2019/08/17 11:30

茂木:そこは難しいですね。アインシュタインは生涯英語が下手で、相対性理論は母語のドイツ語で考えたそうです。そういった話からも、母語で考える能力が大事なことは間違いないと思うんだけど、一方で、両親の国籍が違う家庭の子どもは、生まれたときからバイリンガルとして育ち、とくに言語で混乱することはない。幼少期に母語と外国語を一緒に学ぶことは、そこまで心配する必要はないとも考えられます。

瀧:バイリンガルとして二つの言語を身につけるのはいいことですが、それと同時に心情などの細やかな部分をひとつの言語で深掘りできる力も大切と言われていますね。

茂木:子どもに英語を学ばせるなら、日本語教育も同じようにしっかりするべきですね。もう一つ、英語の学習は先が長いということも知っておいたほうがいい。ネイティブの大人の語彙数が2万語以上なのに対し、日本人は大学受験生レベルでも6000語ですから。

瀧:なるほど。

茂木:これからは学歴が高いかどうかより、英語ができるかどうかで年収に差が出る時代になると思います。それに最近は留学生に学費や生活費、母国への定期的な帰国費用、お小遣いまで支給してくれる海外大学もあるんですって。英語ができれば、そういう道だって選ぶことができる。「幸せになるための道筋」の選択肢は昔よりも確実に増えていて、英語はそのど真ん中にある、ということです。

●プロフィール
茂木健一郎/1962年生まれ。理学博士、脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。著書に『5歳までにやっておきたい 英語が得意な脳の育て方』(日本実業出版社)。

瀧靖之/1970年生まれ。脳医学者、医師。東北大学加齢医学研究所教授。著書に『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)。

(文/木下昌子)

※『AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び2020』(朝日新聞出版)から抜粋

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