大学付属の中高一貫校(首都圏)の、併設大学への内部合格率(内部合格者数÷卒業生数×100、2018年)を見ていこう。この合格率が高い学校ほど、中学に入学してから、エスカレーター式で大学進学していることがわかる。

 トップは中学がない早稲田大本庄高等学院の99.7%だ。2位は早稲田高等学院の99.2%、3位は中学がない慶應義塾志木の98.9%だった。慶應の付属中学は慶應義塾中等部、慶應義塾普通部、慶應義塾湘南藤沢の3校だ。高校進学時に表中の4校から選ぶ。95%以上の高率の学校は、すべて早稲田と慶應の付属・系属校となった。

 近年の中学入試では大学付属校の人気が高い。入学定員の厳格化による私立大入試の難化、20年度からの大学入試改革の影響が大きいようだ。入学定員の厳格化はほぼ終わりで、今の小学生が受験する頃には少子化の影響で受験生が減り、入試は易化すると見られている。

 一方、入試改革については、国立大はすべて新テストを使うが、私立大は大学によって異なる。慶應義塾大のように、現行通りと発表しているところもあれば、早稲田大政治経済学部などのように、一般入試すべてで共通テストの成績が必要になるところもある。付属校を選ぶのなら、入試を気にするのではなく、大学までの10 年間一貫教育の良さを理解して選ぶべきではないだろうか。

(文/大学通信・安田賢治)

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アエラムック教育編集部

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安田賢治
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