中1からネイティブ教員による英語授業を行っているが、異性がいないため照れることなく積極的にコミュニケーションが取れているという。

「生徒たちを見ていると、カッコつける必要がない分、少年時代の純粋さを持ち合わせているように感じます」

■成人式に来校する生徒は90%以上

 女子校の富士見(練馬区)には、生徒たちの明るい笑い声が響き、学校生活を楽しんでいる様子がうかがえる。生徒と学校の結びつきは強く、成人式では地元の式に出席後、晴れ着姿で母校に集まるのが習わしになっている。参加率は90%以上だという。

 安田さんは「別学の方が先生と生徒が親しいように感じる」と言う。文化祭のオープニングでは、校長や教頭もダンスを披露する。小村修教頭が舞台裏を明かす。

「オープニング担当の実行委員の生徒から、猛特訓を受けます。生徒たちが喜ぶので、なかなかやめられません」

 合唱コンクールでは、最後に教員全員で歌う。生徒の受けを狙って、AKB48や嵐などの歌も選んでいるという。

「富士見は通塾率が低い方だと思います。その分生徒はまめに職員室に足を運び、教員に質問しています。異性の目がない分、『こんな質問でもしていいのか』という気がねがないのでしょう」

 新校舎も完成し、36畳の広い和室では茶道や華道、箏曲の稽古が行われている。女子校の良さは、男女で固定されがちな役割を女子生徒も担える点だ。小村教頭は言う。

「リーダーはもちろんですが、フォロワーも大切な役目。生徒たちは気心も知れており、お互いに言うべきことを伝えながら自分の役割をきちんと果たしている。行事が終わった後は、結びつきがより強くなるようです」

■男女が協力する大切さを学ぶ

 共学の成蹊(武蔵野市)は、大学から小学校までが一つのキャンパスにある。学園入り口正面から中高門まで続く欅けやき並木は、環境省が選定した「残したい日本の音風景100選」にも選ばれた。広い学舎で生徒たちはのびのびと過ごしている。入試部の坂井史子先生は話す。

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