■日本にも貧困はあるの? 国民の6人に1人が貧困

 日本は世界でも豊かな国の一つ。貧困なんて存在しないと考える人も多い。しかしOECD(経済協力開発機構)によると、日本は先進国のうち、アメリカに次いで2番目に全体の相対的貧困率が高い国だ。

 国民の6人に1人、約2千万人が貧困ライン以下で生活しているといわれ、特に一人親(その多くはシングルマザー)の世帯の過半数が貧困という状態が長く続いている。このような国は先進国のなかでも日本以外にないという。

【キーワード:OECD(経済協力開発機構)】
先進国が加盟する国際機関で、現在の加盟国数は35。経済・生活水準の向上や、発展途上国への支援、世界貿易の拡大などが目的となっている。
■生活保護費の引き下げで貧しい人がますます苦しく!

 貧しい人のための社会保障制度に生活保護がある。日本では高齢化に伴って、生活保護費の受給額は年々増えているが、生活保護制度の捕捉率(生活保護を受ける資格がある人のうち、利用している人の割合)は2~3割といわれ、これは世界の国々と比べてもとても低い。

 そんななか、政府はさらに2018年度から生活保護費の引き下げを決めた。都市部の一人暮らし、子どもが多い家庭の引き下げ率が大きくなるといわれ、問題になっている。

【キーワード:生活保護】
日本国憲法第25条に書かれた「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するため、生活困窮者を助ける制度。社会保障費でまかなわれている。

【メモ】
2015年9月の国連持続可能な開発サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせること」を重要課題として掲げています。

※月刊ジュニアエラ 2018年3月号より

ジュニアエラ 2018年 03 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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