改憲派にもさまざまな主張がある。9条2項を残して加憲しようという人たちと、2項削除を譲らない人たちの意見が自民党内で割れているうえ、この先、「自衛隊を国軍に」という議論も出てくるに違いない。そうなれば、平和と福祉の党を掲げる公明党としては、絶対に譲れない。

「戦争ほど、残酷なものはない。
 戦争ほど、悲惨なものはない。」

 そんな書き出しで小説『人間革命』は始まる。作者の池田大作氏は公明党の支持母体、創価学会の名誉会長を務める戦後宗教界の代表的人物だ。

 公明党関係者は「名誉会長が大事にしたのは、憲法前文と9条を合わせた平和主義。『そこの精神を変えることは断じてダメだ』」と池田氏の発言を引き、創価学会員の受け止め方と公明党の政治姿勢をこう表現する。「だから、学会員は9条をないがしろにするような動きには絶対反対する。公明党もそれがわかっているから、簡単には首相提案に乗れないわけです」(解説/朝日新聞編集委員・藤生明)

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創価学会(1930年創立、当時は創価教育学会)を支持母体に64年に結党された。93年に細川護熙非自民連立政権に参画。99年以降は自民党と組み、政界での影響力を決定的にした。衆院小選挙区の各区に2万・万票を持つとされる集票力は、自民党議員にとっても最大の応援団との声も。

※月刊ジュニアエラ 2017年12月号より

ジュニアエラ 2017年 12 月号 [雑誌]

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藤生明
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