日本人中学生が見たフィリピンの子どもたち 鑑別所にストリートチルドレン…直面した現実とは?

ジュニアエラ

2017/12/02 16:00

【現場ルポ(2) ストリートチルドレンになった理由は?/柳田レポーター】

 大通りを曲がり廃虚のような場所に子どもたちが群がっていました。「この異臭はなんだろう」と僕が首をかしげていると、KnKのスタッフが「これはシンナーの臭いさ」と教えてくれました。シンナーを吸うと空腹が紛れるのだそうです。

 11歳のジョパイちゃんは、痩せていて小さいので8歳くらいにしか見えません。「どうして路上で生活するようになったのですか?」と聞くと、彼女は「お父さんが亡くなって寂しさを紛らわすために路上にいるの」と答えました。僕はてっきりお金がないから路上にいるのかと思っていたのでびっくりしました。そして「もしお父さんが生きていたらギュッと抱きしめたい」とも言っていました。さらに「家族とは?」と聞くと「宝物」だと。路上暮らしで家族に会えなくても一番大切なのは家族だというところに「家族の愛」を感じました。

◎フィリピン国内で起こる犯罪の背景にあるのは貧困だ。その影響を大きく受けているのが子どもたち。ストリートチルドレンの多くは家庭に問題を抱え、家族と生活できない状態に置かれている。生きていくためにはギャングに所属することで身を守るしかなく、その結果、大人に利用され、犯罪に手を染めてしまうことも多い。

【現場ルポ(3) みんな笑顔がすてきなのに……/山邊レポーター】

 路上で取材したジョパイちゃん、スラム街に住んでいる子どもたち、そしてKnKが運営する「若者の家」(※)の子どもたちと一緒にプールに行きました。みんなで笑い声をあげながら泳ぎます。生まれて初めてプールに来た子もいました。すぐに仲良くなったのはスラム街から来てくれたティナでした。でもティナはしばらくすると私から目をそらします。「どうしたの?」と私が話しかけても返事をしてくれません。

 一緒にいたKnKスタッフが「彼女はスラム街の子だから、もしかしたら自分の住んでいる町から出たことがないのかもしれない。だから、楽しい時間が続くことに対して怖いという感情を抱いてしまうこともあるんだよ」と言うのを聞いて、私は悲しい気持ちになりました。あんなにキラキラしていたティナは、この時間を純粋に楽しむ権利すら持っていないの!? そう思うと、涙がとまりませんでした。

(※)いろいろな事情で家族と暮らせなくなった子どもたちが暮らす、家のような場所。


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二人は取材を終えて何を思った?

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