将来、社会に出るときに備えて、今のうちにお金とどんなふうにつきあえばいいのか。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、公立鳥取環境大学准教授の泉美智子さんの解説を紹介しよう。

■長い時間を見通して使い方を考えよう!

 みんなはおこづかいをどう使っているかな? そのとき欲しいモノを、よく考えずに買ってしまい、空っぽの財布を見て、「節約しなきゃな」とため息をつく人が多いかもしれない。そんな君たちに勧めたいのは、今のうちに、長い時間を見通してお金を使う習慣をつけることだ。

 家庭で使うお金のなかには、保険や年金など、将来のためのものがあったよね。でも、長い時間を見通すことが大切なのは、トラブルに備えるためだけではないよ。

 例えば、君が将来、夢を持ったとする。宇宙飛行士、マンガ家などの職業につくことでも、世界一周の旅に出ることでもかまわない。それを実現するためには、学校に行って勉強したり、必要なモノをそろえたりするためのお金が必要だ。それも、10年、20年という長い時間を見通して計画を立てる必要がある。

 今の君たちにも、例えば新しいゲームとか、手に入れたいけれど1カ月のおこづかいでは買えないものがあるんじゃないかな? そんな小さな夢をかなえるために、何が欲しいのか、いくら必要なのかをチェックする。そして、毎月いくらためて、いつまでに目標を達成するかの計画を立てる。そのうえで、毎月、それに向けて努力してお金を使っていくんだ。そのために便利な「おこづかい計画帳」を付録につけたから、ぜひ、使ってみてね。

 ムダづかいがよくないのは確かだ。でも、ただ節約すればいいというものでもない。塾に行ったり、習い事をしたり、本を買ったり、コンサートや博物館に行ったりするお金は、自分を成長させる力になる。何のためにお金を使うのか、「夢=目標」を決めて、そのために、毎月、どのようにお金を使えばいいのか、計画を立てていく。そんなふうにして夢をかなえた経験は、将来、きっと役に立つよ。

※月刊ジュニアエラ 2017年4月号より

ジュニアエラ 2017年 04 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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