社会とともに発展するサステナブル・プロダクト~台湾発・持続可能な注目のプロダクト~

コロナ禍で注目された
台湾製マスクの進化系

 2019年を端緒とするコロナ禍で、多くの国にいち早く台湾製マスクを贈るといった国際貢献を行い、世界から注目を集めた台湾。現在は環境への配慮と高い機能性を兼ね備えたマスクも開発されている。そのひとつが、水洗いやアルコール消毒をして繰り返し使えるDacian Technology Material(大謙科技材料)の「マイクロパーティクル3D 立体マスク」だ。

 通常の医療用マスクに使われているフィルターは時間の経過とともに効果的にエアロゾル粒子を除去することができなくなる。しかしこの製品はナノフィルムを使用したことで水分の影響を受けないうえ、通気性にも優れ、再利用防護率はN95規格マスクに相当するFFP2認証を通過した。使い捨てはもったいないし、かといって繰り返し洗えるウレタンや布マスクはウイルス通過率が高くて心配……そんな声にしっかりと応えてくれる。

Dacian Technology Material
大謙科技材料股份有限公司

http://www.dctpro.com

新旧共存の意識が高まるなか
建築物を長く生かすグリーン建材

 サステナブル、つまり持続可能なものへの意識はなぜ高まっているのだろうか。台湾では2010年前後から、日本統治時代などの古い建築のリノベーションと民間活用がムーブメントになった。これは、元はといえばそういった建築のそばに昔からある古木を守ろうという環境保護運動に起因するものが多い。古い建物を生かしたカフェやクリエーティブスポットなどがあちこちにできている。

台北にある、古い建築を再活用したカフェやクリエーティブスポット「榕錦時光生活園区」。古い建築のそばには、南国の強い日差しのなかに涼しい影をもたらす大きく古い樹木が緑の葉を揺らす光景が多く見られる。
台北にある、古い建築を再活用したカフェやクリエーティブスポット「榕錦時光生活園区」。古い建築のそばには、南国の強い日差しのなかに涼しい影をもたらす大きく古い樹木が緑の葉を揺らす光景が多く見られる。

 そうした新旧共存した街づくりが進むなかで活躍を見せるのが、環境に配慮したグリーン建材だ。

 HUA TSAI PAINTS(華彩塗料)の「Medusa i-WaterProof 」は、植物からつくられた液状防水材。日常生活のなかのあらゆる素材に塗布でき、御影石など天然石の質感を再現する「新世代」塗料だ。見たものを全て石に変えてしまうギリシャ神話に出てくる女性メドゥーサをシリーズ名に冠している。亜熱帯・熱帯の湿気や雨の多い気候下でタイルの白化を防ぎ、構造物の寿命を延ばす効果がある。持続可能な「百年建築」を目指すうえでとても役立つアイテムだ。

HUA TSAI PAINTS
華彩塗料實業股份有限公司

http://www.medusa-paint.com.tw

高まるエネルギーへの関心
SDGsをリードする企業のOne for All 急速充電器

 2011年の東日本大震災の際に多額の義援金を送るなどの支援を行った台湾。社会の関心は台湾自身のエネルギー政策にも寄せられ、反原発運動や2016年に「段階的な原発ゼロ」政策を掲げた現・蔡英文政権の誕生へとつながった。現在もサステナブルなエネルギーへの関心は高まるばかりだ。

 そうしたなか、電力技術とエネルギー管理において50年以上の実績をもち、SDGsにも積極的に取り組む台湾企業のリーダー的な存在が、デルタ・エレクトロニクス(台達電子工業)である。ESGの視点で世界の企業の持続可能性を評価した「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)」にも選ばれている。

 同社製の急速充電器「C6 Duo USB-C 63W One for All 急速充電器」は、独自の技術により、どちらのポートもPD(Power Delivery)対応の急速充電を可能としているため、ノートPC、携帯電話、タブレット、ゲーム機など2台の機器の充電を迅速に行える。また、使用時にはデバイスの種類にあわせて最適な出力で効率よく充電できるうえ、150カ国以上の国々で使える変換プラグも付いている。生活が電子機器とともにある多くの現代人にとって何ともうれしい便利グッズだ。

DELTA ELECTRONICS(JAPAN), INC. 
デルタ電子株式会社

https://www.delta-japan.jp

社会環境へ配慮した
バリアフリーなシャンプー

 企業の環境への意識の高まりは、2013年公開の「看見台湾」(邦題:「天空からの招待状」)がきっかけだろう。台湾全土を空撮で記録したドキュメンタリー映画で、空から俯瞰することによって、「かけがえのない台湾という島を守ろう」という共通意識が多くの人に芽生えた。また、企業の利益追求が環境を破壊している現状の認識にもつながり、いわば「看見台湾」によって、台湾企業は利益に対して社会環境に責任を負うべきという自覚が強まったといえる。

 2003年に創業し、頭皮ケア分野の研究開発で数々の国際的な賞に輝くMacroHi(美科実業)は、2016年からは特に企業の社会的責任(CSR)にも重きを置く。同社の「スカルプシャンプー」は頭皮に注目したシャンプー。甘草やアボカドオイルなど植物由来の原料を使用し、頭皮や毛髪をすこやかに保つ。ブランドのカラーであるボトルの深いグリーンは森を想起させるほか、ハーブの香りでリラックスした気分に満たされる。また、角がとれたボトルの形状と「シャンプー」という点字が入っていることも特徴。視覚に障がいがある人にも使いやすく、スカルプケアにもバリアフリーの考え方が生かされている。

MacroHi Co., Ltd. 
美科実業股份有限公司

https://www.aromase.com/

パイナップルの葉を生地に
社会運動とサステナブル

 また、近年の台湾のサステナブルな意識の高まりにとりわけ強烈な影響を与えたのが2014年の「ひまわり学生運動」だろう。

 きっかけは台湾と中国との不透明なサービス貿易協定への反発から起こった若者を中心とする社会運動だが、この経験を通じて改めて、市民こそが社会の主役というコンセンサスが得られた。この運動で能力を見いだされたのが、現在デジタル発展部長を務めるオードリー・タン氏。氏の主導で構築されたデジタル政策プラットフォーム「join」は、こうした市民参画型政策の一例だ。

「join」は一人の市民の提案が60日以内に5千人分の「附議(賛同)」を集めれば、政府の担当部局が必ず検討結果を2カ月以内に公表しなければならないというオンライン公開討論空間。選挙権を持たずとも、政策の影響を受ける人なら誰でも自分たちの社会を良くするための討論に参加できる。

 過去には16歳の学生が発起人となり、「レストランやテイクアウトでのプラスチック・ストローを全面禁止にする」という提案がなされ、プラスチック製造業者や環境保護団体、政府の担当部署などのステークホルダーにまたがった話し合いの結果、段階的にプラスチック・ストローを禁止する政策がつくられた。こうした社会全体で討論していくプロセスが、台湾においてサステナブル素材への取り組みが盛んになったことにもつながっている。

 例えば、パイナップル畑で出た廃棄物を加工して糸にした生地「パイナップル葉繊維生地」。葉の繊維を利用しているので分解可能なうえ、コットン風の布素材や動物皮革の代替品として靴・バッグ・ボール・家具・帆布などさまざまな用途に向く。この製品を開発したSuper Textile(世堡紡織)は1975年に設立された紡績企業の老舗だが、97年には業界に先駆けて廃ペットボトルを利用した繊維・テキスタイル・ファブリックの研究開発に取り組んできた、リサイクル繊維の草分け的存在である。

Super Textile
世堡紡織股份有限公司

https://www.supertextile.com/

 1987年に世界最長といわれる戒厳令が解除され、民主化への道を歩んだ台湾。台湾における社会運動は、社会が前進するための大きな動力となり、サステナブルなものへの意識も高めている。台湾の「ものづくり」に関わる人々の思いは、こうした複雑な歴史的背景に連なるさまざまな経験に支えられ、だからこそ前進し続けるプロダクトが生まれているのだ。

文/栖来ひかり 撮影/熊谷俊之(榕錦時光生活園区)

大阪・梅田蔦屋に台湾エクセレンスの期間限定コンセプトストアがオープン!

台湾エクセレンスのコンセプトストアが大阪に誕生しました。マッサージチェアから自立ペン、コスメまで、受賞製品が集結。注目のプロダクトを実際に見て、触って、体験できます。購入はコンセプトストアと連動して開催している楽天のオンラインマーケットから。オフライン・オンラインの両方で台湾エクセレンスを楽しめます。

場所:梅田蔦屋書店ショールーム
大阪府大阪市北区梅田3-1-3 ルクア1100(ルクアイーレ)9F
期間:2022年9月8日(木)~10月28日(金)
購入サイト:楽天台湾エクセレンスECショップ「オンラインマーケット」
https://www.rakuten.ne.jp/gold/twdirect/2022_twe_conceptstore.html

※台湾エクセレンス受賞製品の買い物サイトはこちら(台湾直送)
https://item.rakuten.co.jp/twdirect/c/0000000259/


東京・日本橋の誠品生活に台湾エクセレンスのポップアップストアが展開中

日本初となる台湾エクセレンスのポップアップストアが、東京・日本橋で展開中です。自転車やデジタルデバイス、生活用品など、さまざまな受賞製品がそろいます。
場所:誠品生活日本橋店内
東京都中央区日本橋室町3-2-1  コレド室町テラス2F
期間:2022年8月18日(木)~10月17日(月)


このページは台湾経済部国際貿易局(BOFT)が提供するAERA dot.のスポンサードコンテンツです。