新しいクリエイティブへ。独自に進化を続ける先進生活アイテム ~台湾発・注目の進化系プロダクト~
台湾の歴史と文化から
新しいクリエイティブを生む
「世界一のハイテク請負アイランド(*)」と呼ばれる台湾。
台湾の製造業の発展のプロセスを見ていくと、以前はOEM(相手先ブランドによる製造)が中心だったが、それによってノウハウが培われ、後に設計や研究開発も行うようになっていった。1980年代はプラスチックなど化学工業、90年代は機械・金属工業、そして今はTSMCといった半導体メーカーをはじめ世界的なハイテク企業が次々と台頭している。そんな台湾でこの10年ほど、クリエイティブ界のキーワードとなっている概念が「文創」である。
「文創」とは「文化クリエイティブ産業(文化創意産業)」の略で、台湾の歴史や文化を生かして新しい創造を生み出そうというもの。2010年に成立した「文化創意産業発展法」など、政府がメイド・イン・台湾のブランディングを後押しする政策が契機となった。古くて新しい台湾を表現するという「新旧共存」の考え方は、デザインや工芸、音楽、映画、デジタルテクノロジーといった幅広い分野を活性化させ、ジャンルや国をまたいで多様な製品やサービス、コンテンツが生み出されている。
*出典:『台湾を知るための72章【第2版】』赤松美和子・若松大祐 編著/明石書店
――第17章 工業 北波道子
――第50章 文創 栖来ひかり
「文創」が凝縮された
レトロでおしゃれなデジカメ
そういった文創の考え方を表現すべく、従来のデジタルカメラのデザイン概念を大きくアップデートしたのが、2013年に創業したPaper Shoot(紙綸科技)による「Thinkk&Shootデジタルカメラ」だ。
1800万画素、10秒のショート動画、タイムラプス、4色のフィルターや高品質レンズ、SDカード対応など、必要な機能を一枚の基板に搭載しながら、コンパクトかつ軽量、洗練されたボディを実現している。フロントパネルはマグネット式で簡単に付け替えが可能。「鉄窓花(花などの模様をあしらった窓の鉄柵)」や「マジョリカタイル(幾何学模様などをデザインしたタイル)」といった、台湾の昔ながらの窓まわりの模様をモチーフにしたヴィンテージ調のものや、天然植物の葉を加工した「リーフシリーズ」など、他にはないユニークなデザインがそろい、その日のファッションや季節に合わせてカメラも着せ替えを楽しめる。
タイのバンコクにベースを置く国際デザインチーム「THINKK studio」とコラボレーションもしており、国やジャンルをまたいで新たな付加価値を創り出すという文創の精神を体現した製品といえそうだ。
Paper Shoot
紙綸科技股份有限公司
コーヒー文化が再燃
AIドリッパーで世界一の味を
「文創」の盛り上がりとともに台湾で進化しているのがコーヒー文化だ。実は台湾のコーヒーの歴史は長く、戦前の日本統治時代には天皇への献上品として栽培されていたというが、その後台湾産コーヒーは衰退した。コーヒーを飲む習慣も2000年代前半までは一般的とはいえなかった。再び注目されるようになったきっかけは、台湾の歴史や文化から創造する文創の動きと連動するように、カフェ文化にも火がついたこと。文化発信の場にもなるカフェが台湾各地にでき、さらには「メイド・イン・台湾」の盛り上がりによって高品質な台湾産コーヒーにも注目が集まった。また、2016年にはワールドバリスタチャンピオンシップで台湾人バリスタがチャンピオンを獲得。今や多数の店がそれぞれこだわりの自家製ロースト豆を提供している台湾は、「コーヒー天国」ともいえそうなほどコーヒー文化が根付いている。
こだわり始めるとトコトンまで追求するのが台湾の人々。iDrip(艾聚普)の「AIコーヒーメーカー iDrip」は「自宅で世界チャンピオンのコーヒーが飲める」というコンセプト・ドリッパーだ。専用ドリップバッグ上のバーコードを赤外線で読み取ることによって、豆ごとに設定の異なる「注水速度」「注水回数」「注水量」などが指示通り行われ、バリスタチャンピオンの淹れ方を忠実に再現。「ライフスタイル×IoT(モノのインターネット)」の実現を目指すブランドだけに、AIを駆使したストーリーのある暮らしへの発想力に驚かされる。
iDrip
艾聚普股份有限公司
文具もユニークに進化
地球の傾斜に合わせて自立するペン
台湾で生まれたユニークな文具プロダクトといえば、novium(小山坡生活)の「ホバーペン(自立ペン)インターステラー・エディション」だろう。「自立」とはペン先だけで完全に支えられている状態を指し、「誰でも手に取って字を書いてみたくなるクールなデザイン」を目指して作られた。
垂直に立つクラシック・エディションに対し、インターステラー・エディションは地球の傾き(地軸)=約23.5度に合わせて自立する。103個の複雑な製造工程が緻密さと浮遊感のある不思議なビジュアルを実現し、多くの国際デザイン賞を受賞している。「他人と異なる人生への挑戦」を掲げてブランドが設立されたのは2021年。すべての製造工程が台湾で行われる100%メイド・イン・台湾の逸品だ。
novium
小山坡生活股份有限公司
リモートワークに取り入れたい
ポップで先進的な書画カメラ
コロナ禍によって台湾でもオンライン会議が浸透した。そうした生活に、ぜひとも取り入れたいのがアップデートされたウェブカメラかもしれない。
IPEVO(愛比科技)のウェブカメラは2009年、Appleのセールス担当がアメリカ各地の教育現場にiPadやiPhoneを広めるためのデモンストレーションの際に使って以来、アメリカの教育現場で愛用されているカメラだといわれる。「書画カメラ」とも呼ばれ、机に置かれた書類や絵、手元の作業や機械操作などを俯瞰で撮影し、映像化するアームがついている。「ビデオコラボレーションカメラ DO-CAM」は800万画素、最大解像度は3264 × 2448ピクセルでスムーズかつリアルに対象を再現するうえ、ポップなデザインや色味も魅力の書画カメラ。オンラインで手元のイメージを伝えるのが容易なため、料理や手芸などのオンライン・レッスンや動画制作でも活躍しそうだ。
※Apple、iPad、iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。iPhoneの商標はアイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
IPEVO
愛比科技股份有限公司
アクセサリーのような空気清浄機で
ウイルスや花粉を軽減
昨今のコロナ禍の世情を受けて注目された、台湾の先進生活アイテムを最後にもうひとつ紹介しよう。一見、磁気アクセサリーのようなible Tech.(鴻辰通訊)の「ウェアラブルマイナスイオン空気清浄機」である。吹き出し口から約2000万個/cm3という高濃度のマイナスイオンを発生させることによって、使用者が吸い込むPM2.5・ホルムアルデヒドなどの有害物質、細菌、花粉やウイルスを軽減させる。遠赤外線応用研究会によれば、花粉とPM2.5の除去率99.9%を達成。身に着けて使う、まさに「見えないマスク」だ。
2015年に創業したible Tech.は、スマート・ウェアラブル・デバイスを専門とする企業で、日常生活に溶け込む洗練されたデザインで暮らしの質を高め、大切な人の健康を守るプロダクトを実現。この製品のシリーズ名「エアビーダ(Airvida)」は、Air(空気)とスペイン語のvida(人生)を組み合わせた造語で、開発チームはドイツと台湾の出身者で構成されている。電磁波と放射線量の規制も含めて各種の試験報告はヨーロッパの最も厳しい基準をクリアし、長時間の着用にも適している。
ible Tech.
鴻辰通訊股份有限公司
長い時間をかけてOEMから製造業のノウハウを積み重ね、信頼を高めてきた「メイド・イン・台湾」。そうした歴史に文創の概念が加わり、デザイン性やオリジナル性、文化的な意味を備えた先進的なプロダクトが次々と生み出されている。世界でワン・アンド・オンリーの「台湾的ものづくり」が宿った生活アイテムは、日々の暮らしを一歩先へアップデートしてくれそうだ。
文/栖来ひかり 撮影/熊谷俊之(松山文創園区)
大阪・梅田蔦屋に台湾エクセレンスの期間限定コンセプトストアがオープン!
台湾エクセレンスのコンセプトストアが大阪に誕生しました。マッサージチェアから自立ペン、コスメまで、受賞製品が集結。注目のプロダクトを実際に見て、触って、体験できます。購入はコンセプトストアと連動して開催している楽天のオンラインマーケットから。オフライン・オンラインの両方で台湾エクセレンスを楽しめます。
場所:梅田蔦屋書店ショールーム
大阪府大阪市北区梅田3-1-3 ルクア1100(ルクアイーレ)9F
期間:2022年9月8日(木)~10月28日(金)
購入サイト:楽天台湾エクセレンスECショップ「オンラインマーケット」
https://www.rakuten.ne.jp/gold/twdirect/2022_twe_conceptstore.html
※台湾エクセレンス受賞製品の買い物サイトはこちら(台湾直送)
https://item.rakuten.co.jp/twdirect/c/0000000259/
東京・日本橋の誠品生活に台湾エクセレンスのポップアップストアが展開中
日本初となる台湾エクセレンスのポップアップストアが、東京・日本橋で展開中です。自転車やデジタルデバイス、生活用品など、さまざまな受賞製品がそろいます。
場所:誠品生活日本橋店内
東京都中央区日本橋室町3-2-1 コレド室町テラス2F
期間:2022年8月18日(木)~10月17日(月)
このページは台湾経済部国際貿易局(BOFT)が提供するAERA dot.のスポンサードコンテンツです。