森氏はこのやり取りについて、こう批判する。

「これは虚偽答弁になる可能性がある。すぐに答えられなかったということは、『答えてはいけない』ということがあったのではないか」

 一方、与党側は淡々としている。丸川氏は佐川氏の証言について、官邸の関与が否定されたとの認識を示し、今後の真相究明は「まずは財務省の調査をしっかりやっていただくことが重要」と述べるにとどめた。

 前出の森氏は言う。

「佐川氏は与党や官邸と証人喚問に向けて上手に調整をしたのではないか。見ていて具合の悪くなるようなシナリオだった。下の人間に責任を押しつけるひどい証言だった」

 野党は昭恵夫人や昭恵夫人の秘書官だった谷査恵子氏、交渉時の担当者だった迫田英典・元理財局長の証人喚問も求めている。だが、与党は要求に応じる姿勢は見せていない。参院の証人喚問が終了した後、ある野党の幹部はこう吐き捨てた。

「まったくの茶番だ」 (AERAdot.編集部・西岡千史)

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