れいわ新選組の山本太郎氏が東京都知事選に立候補すると表明した。恩師である小沢一郎氏からの「野党統一候補に」という打診は受け入れず、危険な「単独行」を選んだ背景は。
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稀代のポピュリストとの異名をとる一人の政治家が15日、6月18日告示、7月5日投開票の東京都知事選への出馬を表明した。その政治家とは、学歴詐称疑惑が注目される小池百合子知事ではない。れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)だ。
都知事選には、すでに元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)が出馬を表明している。かつての年越し派遣村名誉村長で「反貧困」を掲げる宇都宮氏と山本氏の支持層は重なる部分が多く、熾烈なリベラル票の奪い合いになることは必至だ。
「今回は、どういう候補が出てきても降りるつもりはない」
5月27日の出馬会見で、宇都宮氏は語気を強めてそう言い切った。宇都宮氏は過去3回、都知事選への挑戦を表明してきた。2012年、14年は次点で落選。16年は、旧民進党が野党統一候補として擁立した鳥越俊太郎氏に譲る格好で、告示の1日前に立候補を断念。だが鳥越氏は選挙戦の最中に発覚した女性問題疑惑もあって落選した。野党統一という大義のために出馬を取りやめた宇都宮氏とその支持者は、地団太を踏んで憤怒したという。宇都宮氏の後援会関係者はこう証言する。
「結果的には女性スキャンダル発覚で鳥越氏は落選したのですが、民進党の関係者は誰も責任をとらず謝罪にもこなかった。鳥越氏を担いだ側と宇都宮氏の支持者の間に生まれたしこりは今も残っています。野党結集という大義があっても、やっていいことと悪いことがある」
今回の都知事選では、出馬を念頭に準備する宇都宮氏のもとに、山本氏が無所属の野党統一候補として出馬するという報告が入っていた。仕掛け人は、山本氏の恩師であり、野党結集を持論とする国民民主党・小沢一郎衆議院議員。
だが小沢氏の思惑は完全に空振りに終わる。ある野党幹部はこう証言する。