

コロナショックで急落しつつも年明けには日経平均株価が30年ぶりに2万8千円台に。2021年も上昇は続くのか。大手証券勤務のA氏、ネット証券勤務のB氏、アセットマネジメント会社勤務のC氏、株やFX(外国為替証拠金取引)などで2億円以上の資産を築いたサラリーマン投資家・D氏の4人に聞いた。
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──コロナで生活スタイルが激変した一年でしたが、証券会社はどうですか?
B:毎年、大納会(その年の最終取引日)のあとは付き合いのある人たちへのあいさつ回りをして、社内の納会に参加して、夜は兜町の仲間と深夜まで飲み明かす、というのが恒例行事でしたけど、去年の大納会は兜町が閑散としてましたね……。なじみのスナックに顔を出したら、ママに挨拶してサッと帰る証券マンばかりで、飲んで帰る人はほとんどいなかった。昔、場立ちをやっていたような年配の証券マンって、とにかく声が大きい。飛沫をガンガン飛ばす人も多いせいか、少人数の打ち上げも許さないという証券会社が多かったようです。
C:マーケットは好調で、証券会社は好業績でしたけど、実は証券マンの待遇はそれほどよくなっていないと聞きます。
A:大手証券は好決算を発表していながら、人員整理を進めています。対象年齢を引き下げて早期退職者募集を行っています。業務のロボット化、リモートワーク化が進む中で、過剰な本部人材を抱えている証券会社が多いんです。証券界はここ10年でディーリング(自己売買)部を廃止する証券会社が相次ぎ、直接利益を生まない調査部門を縮小する会社も増えましたが、人員縮小の流れは当面続きそう。
B:昨年、大手証券会社からネット証券に転職した身なので、古くからある証券会社の非効率さは痛いほどわかります……。ネット証券と非ネット証券の利益率は2倍の開きがありますしね。
C:日本の証券会社もDX(デジタルトランスフォーメーション)に出遅れているってことですね。