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現地時間17日午後に夫であるフリップ殿下(享年99歳)の葬儀を執り行ったばかりのエリザベス女王は、4月21日、95歳の誕生日を迎えた。
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例年ならば、夫、子どもたちや孫たちに囲まれた楽しい誕生日だが、73年間連れ添った夫を失った悲しみは大きく、
「人生に大きな穴があいた」
エリザベス女王は夫フィリップ殿下を亡くしたことの悲しみをこう表現したと、次男アンドルー王子が記者団に語ったという。フィリップ殿下の訃報は現地テレビメディアで放送予定を変更して特番に差し替えて報道。葬儀の様子ももちろん中継された。
「そのご葬儀は“素晴らしい!”と大絶賛されました」とは英国王室評論家でジャーナリストの多賀幹子さん。
「フィリップ殿下のご要望が色濃く出たご葬儀でした。まず、霊柩車ですが10年以上かけて殿下本人が決めていったもので、ランドローバーの色をミリタリーグリーンに指定していた。工場まで何回も足を運び、車に載せる棺の留め金の調整もご本人がやったそうです」(多賀さん)
コロナ禍で800人の参列予定が30人になり家族中心のまさに“家族葬”で、70年以上、英国の君主の配偶者の葬儀として控えめに映るものだった。
「ダイアナ妃のご葬儀の時は棺を砲台に載せて、ロンドン市内をめぐりましたが、フィリップ殿下はウインザー城の敷地内だけで完結する地味なものでした。かねてから“おおげさにするな”“質素に”“大騒ぎしてくれるな”とおっしゃっていたそうで、コロナ禍であったことが逆に殿下のお気持ちに沿ったご葬儀になったのではないかと現地では言われています。葬儀の時に流れる曲であるとか、棺の上の載せた海軍の帽子や剣、かける布までご本人が決めていたそうです。ここまで意思が強く表れたご葬儀に、現地では殿下への尊敬の念がさらに増しています」(多賀さん)