ジェーン・スーさんのエッセーを実写化したドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』で主演を務める吉田羊さんが、AERA 2021年5月24日号でスーさんと対談。結婚・出産、人生の最期について語り合った。
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スー:結婚や出産とかって、頭をよぎったことはあります?
吉田:もちろんあります。するものだと思ってました。
スー:そうなんですよね、おかしいですよね(笑)。
吉田:なぜこうなったのかなって思う部分と、まあそりゃそうだなって思う部分があって(笑)。
スー:わかる。一言一句、同意。
吉田:仕事を一番優先してきたし、仕事が一番楽しかったから、まあこうなるよねって。私の、出産してみたい、子どもを持ちたいって思いには、どこかお芝居に通じているところがあった。
スー:役の幅を広げるために?
吉田:そう。最初は違ったと思うけれど、いつのまにか、母親役をやるときにどんな感情の変化があるんだろうっていう好奇心に変わっちゃったんです。それは不健全だなって感じて、子どもが欲しいって思わなくなった。
スー:私たちが子どもの頃って、普通に真面目に生きていれば絶対結婚できるし子どもも持てると思ってましたよね。で、一生懸命ドブ板選挙みたいに毎日頑張ってきたのに、あれ、こういう毎日を送っていると子どもを持てないんだ、って。気がついたら、そんなに欲しいとも思っていないし。仕事しながら3人産んでる人とか、ほんとすごいと思う。
吉田:ほんとそうですよ、女優やりながらよく母親できるなと思いますもん。女優って、心がものすごく消耗しますから。人にかまえなくなるというか。
スー:そうでしょうねえ。
吉田:スーさんは、どんな最期がいいなと思ってますか?
スー:仕切り屋なんで、ある程度自分で決めて終わりたいかな。
吉田:ドラマにも出てくる叔母さん、「ばあば」みたいに?
スー:そうそう。ホームに入るなら入る、お墓はこうする、って。
吉田:迷惑を掛けたくないって気持ちがあるってことですか?
スー:そうです。吉田さんは?